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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■日本・メキシコのフットボールの違いを考える ⑥

2010.7.22


こんにちは。

前回の続きです。

今回もメキシコにフットボール研修に来られた指導者の感想を元に、メキシコと日本のフットボールの違いを考えていきます。

研修中は、僕が指導するU-14のクラブ(日本でいう『町クラブ』)でも実際に指導をして頂いたり、試合を見て頂いたりしました。僕以外の外国人指導者に指導してもらえることなど滅多になく、選手たちにとっても刺激になったことと思います。

それでは、彼のコメントから
『まず、リーグ戦全体として、副審がなく主審だけということに驚いた。主審だけではなかなか細かいオフサイドが取れていない。育成年代,中学生年代において、守備の状況判断としてオフサイドを利用した守備などを、この年代において身につけることは非常に重要だと思うのだが……』

これは本当に大きな問題です。僕もグラウンドの外から、試合を見ていたときには「へぇ、メキシコでは、ラインズマンいないのか」と軽く考えていましたが、いざ自分が監督としてチームを率いるようになると、その問題の大きさを痛感しました。際どいオフサイドはもちろん、納得いかない判定の多さ……。イライラは募るばかりです。だから、監督がすぐ退席処分になるのかもしれません(笑)。普通に考えて、U-14の緊張感やスピード感がある試合を1人でレフェリングするのは、かなり難しいですよね。かといって、ラインズマンを選手やコーチが……なんてことになれば「負けず嫌い」「ずる賢い」メキシコ人たちの考えることは容易に想像できます(笑)。

では、なぜラインズマンがいないのか。その理由は単純で『お金がないから』だそうです。つまり、クラブに毎試合ラインズマンを雇う資金がないということ。ハリスコ州で最もレベルの高いリーグでも参加する全チームの賛同を得られず、現在はU-15以上になってから主審&副審(第4審判なし)でリーグ戦を行っています。つまり、U-14以下は主審のみ。それどころか、大会参加費の未払いでリーグから追放されるクラブも1シーズンに1チームはあるのが現状です。

そうなると、必然的にディフェンスラインを下げる、スイーパーを置く、というシステム・戦術を利用するチームが多くなります。オフサイドをしっかり取ってくれない中、ラインディフェンスでラインを高くして守ることは非常に困難です。そのことがメキシコで1-3-5-2や1-5-3-2のフォーメーションが多く用いられる一つの要因となっているのかもしれません。守備時には同数で守るのではなく、わかりやすく3対2や2対1で数的有利を作り、裏を取られないことを第一に考える。これは、メキシコで多く見られる傾向といえます。経済的に恵まれている日本で起こることはないであろう問題ですね……。

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