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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市、グアダラハラに本拠地を構える、チーバス・デ・グアダラハラのサッカースクールで監督を務め、今シーズンからPachuca ADALUのU-15監督に就任。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル3取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■日本・メキシコのフットボールの違いを考える ③

2010.5.10


こんにちは。

前回前々回の続きです。今回も友人である日本人指導者のメキシコ研修を通して、日本とメキシコのフットボールの違いを考えていこうと思います。

それでは、メキシコのフットボールU-17の内容について、引き続き友人の言葉を引用させてもらいながら考えていきます。

「日本人とメキシコ人の体の大きさは、あまり変わらない。といわれているが、このU-17のリーグ戦では、日本人よりも体格がいいように思える。クラブワールドカップでのメキシコチームやメキシコ代表の試合では細かいパスが入っていた印象だが、この年代では若干、身体能力に頼っているように感じた」

まず、よくいわれる「日本人とメキシコ人の体格の違い」という部分ですが、確かに日本でいうところの小学生(U-12)年代、中学生(U-15)年代までは、そこまでの差はないと思います。しかし、メキシコの場合14、15歳ころから(成長の個人差にもよりますが)ジムでのウエイトトレーニングを始めます。なのでU-17の時点では、ジムでのトレーニングを3~4年行った段階。大人の体とまではいかないですが、かなりたくましい選手が多いのが印象的です。

日本のフットボールの育成年代て、何歳ぐらいから器具を使った筋力トレーニングを始めるのか具体的には分かりませんので何ともいえませんが、僕が今までメキシコ遠征等をアテンドしてきたU-12、U-13、U-18の日本のクラブと、メキシコの同年代のクラブの体格を比較すると日本の選手たちは、「小さい」というよりも、「細い」という印象でしょうか。日本にも背が高い選手はいますからね。

僕が考える、その「差」の一つに「フィジカルコーチの存在」があります。JリーグやJFLクラスに当たるメキシコの各クラブには、各年代に監督・アシスタントコーチ・フィジカルコーチ・ドクター・用具係がいます。そして、機材を使ったジムでのトレーニングは、必ずフィジカルコーチの指示のもと行います。フィジカルコーチの立ち会いなしで、選手だけでトレーニングジムの器具を使うことは禁止されています。それは、ケガや事故が起きないようにすることはもちろん、シーズンを通して各選手のデータを管理し、成長度を計るためもあります。日本にもフィジカルコーチは年々増えてきていると思いますが、各年代に一人という段階まではまだ難しいのではないのでしょうか。

そして、もう一つは「時間」の問題。僕が現在、研修させてもらっているEstudiantes TecosのU-17の場合、週に2、3回、ジムでのトレーニングが、グラウンドでの練習の前に行われます。メキシコでは、16歳以上のカテゴリーは練習が朝になるので、だいたい8時にジムに集合して1時間ほど筋力トレーニングを行い、そこからグラウンドに出て2時間ほどのトレーニングを行います。

日本では多くのクラブが、U-18までは練習を夜行わなければならないこと。そして、遠くから通ってくる選手も多いことから、なかなかメキシコのようにゆったりと時間を取ってトレーニングするのが難しいことなどが、障害となっているかと思います。

メキシコでは、17、18歳でトップチームデビューするのは、そんなに珍しいことではありません。その原因の一つに17歳の段階で、すでにフィジカルコーチの指導により、ある程度トップチームで戦える体作りを行っていることは間違いないでしょう。

次回は、トップリーグの試合を観戦しての印象から日本・メキシコのフットボールの違いを考えていこうと思います。

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