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こんにちは。
前回に続き、友人である日本人指導者のメキシコ研修を通じて、日本とメキシコのフットボールの違いを考えていきたいと思います。
今回も引き続き、メキシコのU-17のカテゴリーについて書いていこうと思います。
「U-17もトップとほぼ同じスケジュールで試合が組まれているということで、アウェーのバス移動は大変そう。シーズン通してのリーグ戦での長距離移動は日本ではあり得ない。この世代でのメキシコ人のタフさがうかがえる。今回の研修でメキシコとグアダラハラをバス移動したが、とても大変だった」
彼の言葉を引用させてもらいました。
メキシコでは、何シーズンか前からトップ、U-20、U-17が同じスケジュールでリーグ戦を行うという取り組みが始まりました。基本的には、U-17が、トップチームの試合が行われる同日の午前中、U-20がトップの前座という形で、同じ相手とリーグ戦を行うというシステムになっています。そうなると、隔週でアウェー戦が行われ、5~7時間程のバス移動は当たり前になってきます。
トップリーグに3チームが所属するグアダラハラと、同じく3チームが所属する首都であるメキシコシティーとのバス移動は7時間程。僕もメキシコシティーには何度も行ったことがあり、いつもバス移動ですが、到着時はかなりの疲労感が残ります。ほとんどのチームが前泊で行くことを考えても、それほど楽なスケジュールではありません。そんな環境のリーグ戦をメキシコでは16歳前後から始めているのです。
このスケジュールを1年間ほとんど休みなく続けているこの年代。非常にたくましく見えるのは偶然ではないでしょう。
そんなU-17リーグ戦。試合内容の部分に触れていこうと思います。
彼の言葉を引用すると、
「比較的、ロングボールを多用しての攻撃が多く、その後の得点、失点、点差によって、戦術が変わっている様子。観戦した試合は、どのチームもサイドからのクロスが多かった」
まず、読者の方で「意外だな」と思われるのは、「ロングボールを多用」という点ではないでしょうか。メキシコといえば、細かいパスを丁寧につないで……というイメージがあると思いますが、この年代では逆にそういったチームは稀(まれ)です。
今回観戦したチームは、チーバス、プーマス、サントス、クルス・アスール、エストゥディアンテス・テコスの5チームでしたが、どのチームも「細かいパスを丁寧につなぐ」という印象はなく、縦・斜めのロングボールが比較的多いです。
その要因としては、多くの場合U-17の試合に関してはトップが行うスタジアムではなく、各クラブの練習場のため、ピッチコンディションがそれほど整っていない場合が多いこと。急激に体格や身体能力が上がるこの年代で、そのアドバンテージを最大限に生かそうとしていること、などが考えられます。
そして、攻撃は徹底してサイドから。低い位置でボールをサイドに広げ、そのままサイドから攻撃するか、一度中にボールを入れてもう一度サイドの深い位置に展開するか。とにかく、攻撃の優先順位は常に「サイド」というのが特徴です。中央突破からの攻撃は、ほとんど見たことがありません。観戦した試合でもサイドからのアーリークロスを何度も繰り返し、もう少し中に進入すれば……という場面が何度もありました。クロスの精度も少し物足りない印象が残りました。
最後に、点差によって戦術が変わるという点。これは、この年代に限らずメキシコには多く見られるます。「戦術が変わる」というのはさまざまな言い方ができますが、メキシコサッカーは相手や自分たちの状況に合わせての「システム変更」を頻繁に行います。3バック、4バック、5バック、1トップ、2トップ、3トップ。多くのチームはさまざまなシステムに対応できるトレーニングを行っており、スタッフも試合の状況を分析し、少しでも有利に進めることを考えています。
そういったシステム変更を行う際には、当然ながら各選手のポリバレント能力が必要です。「ポリバレント」という言葉は、特にメキシコではなじみのある言葉ではありませんが、そういったフレキシブルな戦術への考え方が、自然とそういった選手を育てているのかもしれませんね。
次回は、U-17の試合内容の続きと、トップリーグを観戦しての印象について書いていこうと思います。 |