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こんにちは。
今回から数回に渡って、3月12日~31日まで日本からメキシコに単身で指導者研修に来られた、友人の日本人指導者との話を通じて、メキシコと日本のフットボールのさまざまな面での「違い」を考え、書いていきたいと思います。
僕も日本を離れて約3年の月日が経ち、その間は両親に定期的に送ってもらっている日本代表の試合や高校選手権などのDVD以外は、生で日本の試合・練習を見る機会はほとんどなく、非常に刺激になった約3週間でした。
その方は、昨年、メキシコ人指導者を連れてのサッカークリニックを日本で行った際に、現地でオーガナイズしていただいた方の一人。今回の短期での海外研修も、そのクリニックの際にメキシコサッカーに強い興味を持たれたのがきっかけ。日本でお世話になった恩返しをできることはもちろん、クリニックを行ったことでメキシコのフットボールに興味を持ってもらったのは、ただのイベントとしてではなく、目的であったメキシコのフットボールのよさを伝えられたという気持ちで、とてもうれしく思います。
その方は、活動の拠点を名古屋に置き、U-18、15、12と幅広い年代を指導しています。今回は、僕が指導しているチームがスプリングブレークに入る直前ということもあって、彼に私のチームを指導してもらって僕が通訳を行ったり、トップはもちろん、育成年代のリーグ戦などを一緒に観戦したり、クリニックの際に連れて行ったメキシコ人指導者の練習を見学したりと、フットボール漬けの日々を送りました。
まず、最初に書きたいのは、今回の研修の中で計3試合を観戦し、練習も最も多く見学したU-17のカテゴリーについての印象。彼の言葉を引用させてもらいながら、考えていきたいと思います。
「リーグ戦の真剣勝負ということがヒシヒシと伝わる。日本では見ないほどのコーチングの大きさ、数、口笛。球際の激しさは、U-17とは思えない迫力。」
僕が考える、メキシコで最も「激しい」「強い」年代であるU-17。日本との大きな違いは、プロであること。つまり、この段階でフットボール選手として給料をもらっているわけです。いつクビを切られるかわからないプレシャーの中、トップチームまであとわずかの状況に身をおく選手たちにとって、実力が拮抗したリーグ戦の試合はまさに「戦い」。日本の高校2年生でBチームに所属する選手たちとは置かれている状況があまりにも違いすぎるでしょう。
そして、コーチングの質と量。メキシコにはさまざまなタイプの指導者がいます。1試合を通して怒鳴り続けている指導者、審判に文句が多い指導者……。しかし、基本的にはよく声を出します。実際、カテゴリーを問わず退席処分になる指導者は本当に多いですね。日本ではほとんど見たことがなかったですが、メキシコでは日常茶飯事です。実際、僕らが観戦していた試合でも何人かのスタッフが退席処分になりました。
そのコーチングの「質」がもちろん大切だとは思います。的確な指示を出している指導者もいれば、的はずれなことをいっている指導者もいる。精神的な指示しか出さない指導者もいれば、選手を怒鳴り続ける指導者もいます。しかし声を出すことで、指導者の試合に対する「情熱」や「執着心」は、少なくとも選手たちに「わかりやすく」伝わるのではないでしょうか。僕も試合を見ていて、勝ちたいのだな。勝ちにこだわっているのだな。という気持ちは容易に感じることができます。
メキシコでは練習試合というものは、プレシーズン以外はほとんど行われません。毎週が公式戦なので、内容だけにこだわる試合はできる状況ではないのです。だから、僕が日本にいたときによく議論されていた、「内容」にこだわるのか「勝ち」こだわれるのか? という質問をメキシコ人にぶつけると、「両方だよ」という答えが瞬時に返ってくるのでしょう。フットボールはチャンピオンを決めるスポーツ。フィギュアスケートのように芸術点を競うスポーツではないのです。
もう一つ特徴的な例を挙げておくと、観客(選手の家族や友人が多い)も審判に文句をいいますし、平凡なミスを犯した選手には容赦なくブーイングを浴びせます。U-17の試合はスタジアムで行うのではなく、観客の数も多くないので、観客の声もよく聞こえます。観客が審判に注意される場面もよく見かけますしね。
そういった環境の中で選手も審判も指導者も育っていくのがメキシコスタイルなのかもしれません。
今回は、フットボールの内容以外の部分を書きましたが、次回は引き続きU-17の試合内容について書いていこうと思います。 |