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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■感動を与えるスピーチ

2010.1.19


こんにちは。

私事ですが、先月、無事に指導者学校を卒業しました。これで、ライセンス上はメキシコのトップリーグを指揮する資格を得たことになります。

今日は、その指導者学校の卒業試験の一貫として行われた『感動を与えるスピーチ』という、日本でいう『弁論大会』のようなものについて書きたいと思います。

指導者学校には常に『コミュニケーション』の授業がありました。メキシコの指導者学校では、サッカーに関することはもちろんですが、とにかく『人前で話すこと』を向上させる授業が非常に多かった印象があります。

その理由には、サッカー関係者(とくに現役を引退したばかりの生徒)には、言葉づかいが悪い、正しい表現方法を知らない人が非常に多く、トップリーグを指揮したときにインタビューや記者会見、講習などで正確なスペイン語を話せるようになることが目的にあるようです。
もともと、メキシコ人は人前で話すことに抵抗のある人は少数派で、だいたいの生徒は準備を全くしていなくても、アドリブでうまく話せる人が多い。その能力の高さには感心させられるほどですからね。その質を上げるのが重要なのです。

そのような、『コミュニケーション』の方法を今まで学んできた、集大成がこの『弁論大会』でした。テーマは自由で、5分~8分、正装して、クラスメートと4人の審査員の前で発表を行うというもの。発表の方法も自由で、音楽やビデオ、パワーポイントの資料を使っても、8分間しゃべり続けてもいいとのこと。重要なのは、そのスピーチが感動を与えるものであること。話し手の感情を聞き手に伝えるということでした。

3週に渡って行われた、この大会。僕は3週目に発表だったので、他のクラスメートの発表もしっかりと見ることができました。本当にみんな成長したな。というのが目に見えて分かりました。改めて、メキシコの指導者学校の目的の一つ『実践に生かすことのできる知識の習得』の重要性を感じました。

メキシコの指導者学校では、そんなに難しい理論を勉強したりしません。内容もそこまで高度なものは稀です。講師も限られた時間の中で、なるべく実践的な情報を選んで授業を行ってくれています。そして、多くの発表の場を設けて、学んだ知識を実際に使い、確認する。それがメキシコ流のやり方なのでしょう。

そんな中、もちろん僕も発表を行いました。結果は見事、優勝。自分にとって今回の発表は卒業試験という意味だけでなく、この発表を通じて、講師やクラスメートのみんなに今までの感謝の気持ちと卒業後の決意表明をしようと思っていました。しっかりと準備して臨んだので結果が出たことはうれしかったですね。

しかし、いちばんうれしかったのは講師に自分が成長した姿を見せられたこと。この講師にはレベル1のころからお世話になりました。その方が目に涙を浮かべながら、僕との思い出や称賛の言葉を述べてくれました。そのときには、僕も涙をこらえるのに必死でした。そんな、最高の思い出をこの『弁論大会』を通じて得ることができました。

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