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2009年11月21日
師匠との対決 02



アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!
メキシコ ポルトガル通信
~Vai evoluir um individual(個人を育てる)~

アイルランド アイルランド通信
~What's the craic?(やぁ、楽しんでる?)~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~
トップコラムワールドサッカー通信局>メキシコ通信  ~「Si se puede!」やればできるさ!~ 師匠との対決 02

Column コラム

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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■師匠との対決 02

2009.11.21


前回のコラムの続きです。前回は「セットプレー」に関して書かせてもらいました。今回は「師匠」が率いるEstudiantes Tecosとの対決の中で感じた「守備」の部分を書きたいと思います。

まず、彼のチームは本当に失点が少ないのが特徴です。現在、リーグ戦13試合を消化した段階で失点はわずか8。もちろん、この数字はリーグ最少失点であり、失点数が一ケタのチームは唯一です。

彼の使うシステムは、1-3-5-2。ボランチが1枚でトップ下が2枚。攻撃時には、2枚のトップ下はもちろん、2枚のサイドハーフも積極的に攻撃に参加します。つまり、決して守備的な戦術を採用しているから、失点が少ないというわけではないのです。

その要因はたくさんあると思いますが、一つが「Recorrido」とメキシコでは呼ばれる、日本語に訳すと「守備の際のポディション取り(移動)」です。ボールがどの位置にあるときは、誰がどのタイミングでどのようにプレッシャーをかけて、他の選手はどこにポジションを取るのか。このトレーニングを徹底して行います。

日本でクリニックを行った際にも、何人かの日本人指導者には非常に興味を持っていただきました。また、ある指導者からは自分のチームで実践した際に失点が減るようになったといううれしい報告も受けました。

そのトレーニングを実践する際に重要になってくるのが、「ボールを持っていない相手に対しての守備(チャレンジ)の優先順位」です。この守備の優先順位が日本とメキシコでは大きく違います。

日本の場合(日本サッカー協会発行サッカー指導教本から抜粋)
①インターセプト
②コントロールした瞬間を狙う
③振り向かせない
④ディレー(遅らせる)&ジョッキー(相手をある方向に追いやる)

とあります。

逆にメキシコの場合は、
①ダッシュで相手に近づく(相手のスピードを落とす)
②遅らせる(味方が戻ってくる時間を作る)
③相手をサイドに追いやる
④ボールを奪う

どうですか? 優先順位が全く違うのがわかると思います。メキシコの場合はボールを奪うことが第一ではありません。サイドにいる相手選手とはある程度の距離を取り、センターを守ることを第一に考える。相手に近づきすぎると裏を取られる危険があり、それがいちばんよくないプレー。そうした考えが守備の原則になっています。

こういった「メキシコ」の守備の原則に基づいたトレーニングだったので、クリニックに参加していただいた日本人指導者には非常に新鮮だったようです。同じスポーツなのに、国が違うだけで守備原則がここまで違うというのも不思議な話です。

この「ボールを持っていない相手に対しての守備(チャレンジ)の優先順位」を、冒頭に選手に伝えることから彼のトレーニングは始まります。それを選手が理解した上で守備のグループ戦術に入っていく。細かいポジショニングの修正や、スピード、タイミング。そこからは、各指導者の哲学や所属する選手の特徴などによっても左右されるでしょう。

そして、重要なのは「徹底」されていること。前回のフリーキック同様に、いくら指導者が理解していても、それが選手に伝わっていなければ元も子もありません。彼のチームは指導者がほとんどサイドコーチングをしなくても、選手間で規律のある守備組織を作っていました。彼の哲学を選手たちが理解している証拠ですよね。そして、それは彼が優れた指導者である証拠でもあると思います。

練習での姿を見ていても彼の指示は非常に分かりやすいのが印象的です。決して難しいことをいっているわけではありません。僕もそういった部分は特に見習わなくてはならない部分だと感じています。これからも「生きた教材」である彼から学ぶことは多そうです。

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