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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■連帯責任と個人責任

2009.11.1


こんにちは。

報告が遅くなりましたが、ようやくメキシコもワールドカップ出場が決定しました。一時は、どうなることかと思いましたが、最終的にはアメリカに次ぐ2位で本大会出場決定。12月4日の組み合わせ抽選会が今から楽しみです。

さて、皆さんは「連帯責任」を取らされた経験、一度はあると思います。チームの誰かが問題を起こしたときに、チーム全体で責任を取る。僕も日本でフットボールをしていたときには当たり前のように受け入れていました。

しかし、メキシコではチームの誰か、つまり個人が問題を起こした場合、その責任をチーム全体で取るということはほとんどありません。明らかにチーム全体に責任がある場合は別ですが、誰が悪いのかが明確な場合、その人間が個人として責任を取ります。

以前まで、僕は自分の指揮しているチームで練習に集中していない選手、おしゃべりをしている選手がいた場合、連帯責任として、チーム全体に罰を与えていました。当事者ではない、選手たちは不満を漏らしていましたが、それは僕が「チームの一員が起こした問題はチーム全体の問題」という考え方に基づいてとった行動でしたし、選手にもそのように説明していました。

しかし、ある日そんな光景を見ていたオーナーに「選手に罰を与えるのは構わないが、その当事者だけに罰を与え、その他の選手には練習を行う環境を与えてあげなさい。真面目にトレーニングしている選手に罪はないのだから」と注意を受けたのです。

このように、メキシコには「個人責任」が習慣としてありますから、チーム全体に責任がないにも関わらず、特定の選手のせいで「連帯責任」を負わせると、「俺は関係ない」「俺は何もやってない」と当事者ではない選手から、文句が出ることがよくあります。

オーナーの言葉に納得した僕は、注意を受けて以来「個人責任」を基本スタイルとして指導を行うようにしました。今考えれば、自分が日本で選手としてフットボールをしていたとき、自分は何もしていないのに「連帯責任」をとらされ、グラウンドを走らされていたことに、なぜ疑問が生まれなかったのだろう? と不思議に思います。きっと今の僕だったら、文句をいっていたでしょう(笑)。

こういったメキシコと日本での「個人責任」と「連帯責任」の違い。個人的には、自分の行動に責任を持ち、その責任は自分で取る。はっきりしていて良いと思います。自分が正しいと思っても、失敗した場合にチームのみんなに迷惑をかけることを考えると判断が鈍る。そんな経験が日本であったのも事実です。こんな「価値観」の違いを発見できるのも、海外で生活している特権の一つかもしれませんね。

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