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トップコラムワールドサッカー通信局>メキシコ通信  ~「Si se puede!」やればできるさ!~ ディティールが勝敗を分ける環境

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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■ディティールが勝敗を分ける環境

2009.9.23


こんにちは。

今日は自分が指導しているチームのことを少し。

現在、僕が指導しているチームはパチューカという、クラブワールドカップで何度か日本にも行ったことのあるクラブのグアダラハラ支部です。できて間もない、新しいプロジェクトで、ちょうど先月で1年目という段階です。

僕は、プロジェクトが始動し始めてから3カ月ほど経ったところで、そのクラブのコーディネーターの方に誘っていただき、2週間ほどの指導実践やオーナーとの面接を経て、U-13の監督に就任しました。

最初はハリスコ州(日本の関西くらいの規模)が管轄するリーグ戦のいちばん下の3部リーグからスタートした僕たちですが、シーズンごとに昇格し、3シーズン目には1部に上がるという目標を見事に達成。現在はU-16、U-13が1部リーグに参加しています。

メキシコでは、アマチュアの段階では全国大会、リーグのようなものはなく、私たちが参加しているリーグ戦が、この地域では最もレベルの高い環境だといえます。もちろん、対戦相手には、グアダラハラに所属する3つのトップリーグにチームを持つクラブの下部組織も含まれます。日本でいう、プリンスリーグのようなものでしょうか。

僕は今シーズンからU-15の監督になり、現在リーグ戦を5試合消化した所で、4勝1敗の2位。今シーズンからの昇格組としては、良いスタート切れています。ただ簡単な試合は1試合もなく、試合をやるごとに本当に勉強になっています。

その中でも特に感じるのが、ディティール(細部)にこだわることの重要性。ディティールといってもサッカーには多くの場面がありますが、技術的な面、心理的な面はさておき、今回は「監督の采配(さいはい)」に焦点を絞ってお伝えしたいと思います。

選手交代やシステムの変更、プレッシャーのかけ方、ポジションチェンジの行い方や攻撃の仕方など。指導者が試合中に修正できる点は、挙げればきりがありません。監督の仕事として、まず試合開始5分ぐらいの間に相手チームの分析を行います。相手のシステムは?  キーとなる選手は? ゴールキックからの組み立て方は? どこに攻撃のチャンスがあるか? 試合の中で修正できる点とハーフタイムで修正する点などが出てくると思います。そういったことを重ねることによって、試合の展開が大きく変わることが頻繁にあり、メキシコサッカーでは、そういった自分たちがいかに試合を有利に進めるかを考えることが重要とされています。

それは、毎週末のリーグ戦で常に勝ち負けがかかった真剣勝負が行われているというのが大前提にあります。親善試合では、必ずしも勝ちにこだわるのではなく内容にこだわる場面が多いため、そういった勝つための「監督の采配」のディティールにこだわる必要が薄れてしまうからです。勝敗がかかった試合を行うことによって、そこで勝つためのディティールへのこだわりに重要性が現れ、監督もそういった場数の蓄積よって学んでいくとこができる。そういった環境が自然と作られているのです。

その「監督の采配」の差で完敗したと感じたのが、リーグ戦第5節のAtlas戦。トップリーグにチームを持つクラブとの対戦でした。結果は1-5でしたが、自分の判断・修正がもう少し的確なものであったら、もう少し何とかなった可能性があった試合だと思います。

そのAtlasを率いていたのは、指導者学校のクラスメートの友人。普段から仲もよく、いつもいろいろなことを教えてくれる、僕が尊敬する指導者の一人です(年齢は僕より一回り以上も上なので、友人といっていいのかわかりませんが……)。試合後、彼と試合内容について話をしている中で、自分がたくさんの間違いを犯していたことに気づかされました。と同時に自分の指導者としての未熟さを痛感しました。彼にはすべて見透かされていたのです。

そのような、ディティールが勝敗を分ける環境が自然と作られているメキシコ。その環境があるからこそ、監督も成長していけるのではないかと思います。リーグ戦は始まったばかり。僕も選手と共に成長していかなければなりません。

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