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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市グアダラハラで、チーバス・デ・グアダラハラやCFパチューカのサッカースクールでの監督を経験した後、現在は隣国ベリーズとの国境の町チェトゥマルにて、メキシコ3部リーグ所属のChetumal FCトップチームで指導。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル4(最高レベル)取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■心理学をどうサッカーのトレーニングに生かす?

2009.7.13


こんにちは。

今回も僕が普段通っている、メキシコのサッカー指導者学校の話を。

タイトルにもあります、「心理学」。つまりメンタルの要素がサッカーにおいて非常に重要なのは、多くの指導者が理解していることだと思います。しかし、何がどのように大事なのか? どのように向上させるのか? どうやってサッカーのトレーニングに取り入れるのか? など、細かい部分まで理解している指導者はそれほど多くはないのでは?

現在、僕が指導者学校で受講している「教育心理学」という授業の講師は、Atlasというメキシコのトップリーグに所属するクラブの、下部組織の心理学者です。スペインのマドリードの大学を出た実績があり、彼の授業は興味深いものばかりです。

まず、彼がいうには、サッカーのトレーニングには必ず以下の3つの要素を含む必要があるとのこと。毎日のすべてのトレーニングにおいてです。

テクニック・戦術的要素
フィジカル的要素
心理学的要素

では、心理学的要素をトレーニングに入れるといっても、どのように行うのでしょうか?その内容は7種類に分けられます。

1. 姿勢・態度…自チームのシステム・約束事を尊重する意志。
2. モチベーション…一つのアクションを実現しようとする動機・目的。
3. 思考のコントロール…目的を達成するための思考力。
4. エネルギー(活力)…自分のフィジカル能力を最大限に引き出す術。
5. 視覚化・想像力…目的を達成する際の想像力の構造。
6. 集中力…注意力のコントロール。
7. ストレスのコントロール…自分の能力を常に最大限に引き出す術。

この7つの要素は、すべてトレーニングで向上させることができるのです。よって、各トレーニングにおいて、どの要素をトレーニングしているのかを意識してメニューを組む必要があります。その有効な方法として、トレーニング計画を記入する用紙に、必ず心理学の7要素のどの部分をトレーニングするのか? を記入する欄を作るという方法があります。常に技術や戦術、フィジカル的要素だけではなく心理学的要素もトレーニングしているという意識づけをするというわけです。

例えば、ポゼッションのトレーニングをするときには、「集中力」と「モチベーション」の部分を向上させることも目的としてアプローチするといった感じです。普通だと、ポゼッションの場合「少ないタッチでボールを放す」「ボールを失わない」など、技術的な部分が主要の目的になりますが、それだけではなく、メンタルトレーニングも同時に行っているという意識を指導者が持つということです。

こういったことを学んだ後に、各生徒への課題で、現在メキシコ1部リーグや2部リーグで実際に指導している、もしくは指導経験がある監督・コーチに「サッカーにおいてのメンタルトレーニングの重要性」についてインタビューを行うというものがありました。

各自インタビューを行い、授業でその映像を見たのですが、すべての指導者がメンタルトレーニングの重要性に言及しているものの、それを理論的にどういったトレーニングで、どの要素をトレーニングしているのか……など、具体的に触れていた指導者はほとんど見られませんでした。

講師は、トップリーグで実際に指導を行っている指導者でもメンタルトレーニングの具体的な方法、知識などを十分に持っていない、ということをいいたかったのでしょう。だから、僕たちは今、そういった基本的な知識をしっかりと学び、自分が指導しているチームで実践する必要があると。

ロシア代表監督のフース・ヒディングが心理学の知識に精通していることは、日本でも有名な話だと思います。選手に教えることも大事ですが、まずは自分から、この7つの要素を磨いていく必要がありますね。

それでは、また。

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