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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市、グアダラハラに本拠地を構える、チーバス・デ・グアダラハラのサッカースクールで監督を務め、今シーズンからPachuca ADALUのU-15監督に就任。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル3取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■選手の特徴に合わせた戦術とは…

2009.6.25


こんにちは。

前回前々回のコラムに続き今回も、メキシコのサッカー指導者養成学校での話を。

前回のコラムで自分の指揮するチームのシステムを決定する際に最も重要なのは、各選手の特徴に合わせたものにしなければならないという話をしました。

しかし、各選手の特徴を見る際、最も重要な要素は何か? そして、それをどのように戦術でカバーすることができるのか? という所を、今回は3バックの守り方を例に出して紹介しようと思います。

皆さんは選手の特徴といわれて、まず何の要素を見ますか? さまざまな観点から、選手を評価することができますが、講師がいっていた最も重要なポイントは……

1. フィジカル的要素
2. テクニック的要素

です。それを前提に3バックの守り方を考えてみます。

まず、自分のチームに3人のディフェンスがいるとして、そのうち2人は足が遅く、1人は足の速い選手の場合、この形が効率がいいとのこと。

3バック(ストッパー2人、スイーパー1人)

この場合、2人がストッパーとなり、1人がスイーパーの形をとります。2人のストッパーは足が遅くても問題ありません。しかし、それをカバーするスイーパーは必ず足が速い選手である必要があります。2ストッパーには、相手の2トップに対して近い位置でマークし、縦のボールが入ったときに前を向かせない、そこでプレーを終わらせるように指示します。裏をとられてしまった場合は、スイーパーの選手が素早くカバーし、そこでプレーを終わらせるようにします。

次に3人のディフェンスが全員足の遅い選手の場合は、この形。

3バック(斜め一列)

3人のディフェンスが階段のように斜めに一列にならび、1人がかわされたら、次のディフェンスが、そのディフェンスがかわされたら次がというように、1人のFWに対して3人でケアします。逆サイドは、中盤が何枚いるかによりますが、ボランチやサイドハーフがしっかりと戻ってケアしておく必要がありますよね。

そして最後に3人のディフェンスが3人とも足の速い選手の場合は、この形。

3バック(横一列)

3人のディフェンスが横に1列に並びます。この場合、裏をとられても走力を生かし、対応できることが前提です。より攻撃的な守り方といえ、キーパーもDFラインの裏のボールに対して、前に出る準備をしておく必要があります。しかし、ラインを高く設定できるため、中盤を押し上げることができ、より前からプレッシャーがかけられます。

どうですか? 単に3バックといってもさまざまな守り方があり、それを選手の特徴に合わせて選べるのです。この授業を受けるまで、僕は3バックといえば、最初のパターンの2人のストッパーと1人のスイーパーというイメージしか持っていませんでした。

しかし、今、紹介した守り方も頭に入っていれば、相手のFWの能力と自分のチームのディフェンスの能力を比べ、より有利に試合を運べる選択をすることができたり、普段の練習から自分たちの守り方を選び、練習を重ねることで、各選手が自分の役割をよりハッキリ理解した状態で試合に入ることができたりしますよね。

今回は、3バックを例に出しましたが、攻撃面でも例えば右サイドハーフに縦に速い選手がいて、左サイドハーフに足は遅いがテクニックに優れた選手がいれば、必然的に各サイドの攻撃の仕方が変わってくるわけです。そういった、自分のチームの特徴に合わせた戦術を考えるのも重要ですし、指導者の腕の見せ所だと思います。

チームの数だけ、戦術は存在するのですね。

それでは、また。

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