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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市、グアダラハラに本拠地を構える、チーバス・デ・グアダラハラのサッカースクールで監督を務め、今シーズンからPachuca ADALUのU-15監督に就任。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル3取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■侍ジャパン、メキシコ遠征02

2009.4.24

こんにちは。

今回は、前回のコラムの続きです。

メキシコを訪れた、13歳の侍ジャパンたち。遠征後半では、グアダラハラではもちろんのこと、メキシコ全土でも育成に定評のあるATLASというクラブ、そして自分が指揮を執らせてもらっているPachuca ADALUと対戦しました。

ATLASは、月に最低1回はハリスコ州(日本でいう所の関東や関西といった範囲)の、そして年に2回の全国セレクションを行っています。

とにかく、良い選手を集めることに非常に力を入れているクラブです。普通の選手を良い選手に育てるよりも、良い選手をもっと良い選手に育てる。そのほうが、効率がいい。普通に考えると当たり前のことですが、全国セレクションに関しては、1泊2日のセレクションをする際に、交通費以外の宿泊費、食事、ホテルからグラウンドへの移動などすべてATLASが負担します。

そのことからもATLASの育成にかける意気込み、資金力がうかがえます。そして、遠路はるばる全国から選手が足を運ぶことからしても、ATLASでプレーするということは、メキシコの若い選手の一つのステータス、目標となっています。

さて今回は、その週の土曜日からメキシコのSan Luisと呼ばれる場所で行われるトーナメントに参加するために特別に選抜し、トレーニングを行っているATLASの同年代のチームと、侍ジャパンの対戦についてです。試合は水曜日(トーナメント開催3日前)に行われました。
そのチームを率いる監督が、僕の通う指導者学校のクラスメートであったこと、僕が以前、ATLASで指導を勉強させてもらっていたこともあり、知っている選手やスタッフも多く、有意義な時間でした。

結果は、B戦が0-7、A戦が0-で、いずれも日本のチームが敗れました。内容的には、体格とスピードに大きな差が見られました。さすがは、全国から選ばれてATLASでプレーしている選手たち。メキシコ国内でもフィジカル能力に長けている選手が多いという評判通りの試合を見せてくれました。そして、形式上B戦、A戦となりましたが、ATLASの2チームの実力差はほぼないに等しいといってよかったのが印象的です。常に23人から25人は、まったく力の落ちない選手を各カテゴリーに確保しているのです。それは、定期的なセレクションと、全国レベルのスカウティングがあってのことでしょう。

そして、最終日は僕が指揮を執るPachuca ADALUとの対戦。この試合は、2試合とも日本チームの勝利。しっかりと彼らの実力を証明されてしまった形になりました。

僕は、この日に限ってはPachuca側のベンチに入らせてもらい、指揮を執らせてもらいました。日本人を相手にメキシコチームの監督として、スペイン語で怒鳴っている姿は周りの人から見たら、かなり不自然だったはずです(笑)

この試合では、自分たちが目標としているサッカーを日本チームにやられてしまった形になったので、僕の選手たちも「やらなければならないこと」がはっきりした本当に良い機会になりました。70パーセント以上ポゼッションされる試合は、リーグでの対戦では、今まで一度もなかったですからね。結果は1点差での負けでしたが、それ以上に差があった試合でした。

試合後には、ユニフォーム交換や、トロフィー、賞状の贈呈などちょっとしたイベントをやらせていただいて国際交流。僕が教えている子供たちにも一生忘れない思い出として残ることでしょう。

そして、試合後に日本チームの監督さんにかけていただいた言葉が「今までのメキシコのチームには感じられなかった“ひたむきさ”を感じた」ということ。特に意識していたわけではないですが、自分も微力ながら、日本人のよさをメキシコ人に伝えられている部分もあるのかなと確認できた瞬間でした。

と、今回の遠征も日本の方々に満足して帰っていただいて、自分の教えているチームにも貢献することができ、コーディネーター冥利(みょうり)に尽きるといった所です。

メキシコ遠征での経験を生かし、参加した選手から一人でも多くのJリーガーが排出されることを期待しています。

それでは、また。

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