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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■英語でのコミュニケーション

2009.12.4


みなさん知っての通り、現在プレミアリーグには数多くの外国人監督、外国人選手が在籍しています。国籍もヨーロッパ、アフリカ、南米、アジア……とさまざま。今やサッカー界は世界の縮図といえるかもしれません。

そんな多国籍集団の中で問題になってくると思われるのがコミュニケーション。話す言語も多様なチームの中には、もちろん英語が母国語でない選手も数多くいます。

それでも、イギリスのクラブに「通訳」という役職はほとんどありません。英語が得意でない選手、監督ももちろんいますが、インタビューや記者会見では、しっかりと英語で、自分の言葉で話をしています。

中田英寿氏がボルトンに入団したとき、記者会見で英語でやり取りしたことが、日本でもニュースとして取り上げられ、話題になりましたが、イングランドでは当たり前のこととして受け止められている印象を受けます。

イギリス滞在歴の長いアーセナルのフランス人監督ベンゲルや、リバプールのスペイン人監督ベニテスはもちろん、イングランド代表監督で、イタリア人のカペッロや、今シーズンからチェルシーを率いるイタリア人のアンチェロッティも、すごく流暢(りゅうちょう)というわけではないですが、自分の言葉で、英語で、選手やメディアとコミュニケーションを取ります。

イギリスでスペインリーグの試合がテレビ中継される際には、スペイン人選手がゲストとして招かれることが多いのですが、今シーズン、イングランドに来たばかりのミチェル・サルガドや、アーセナルの19歳、メリーダも、しっかりと英語でコメントしています。

その国の母国語でコミュニケーションを取ること、これはその国で認められるための条件の一つといえると思います。逆になかなか英語でのコミュニケーションが取れなかった元トットナム監督のファンデ・ラモスは、監督として素晴らしい実績があるにも関わらず、なかなかメディアやサポーターから信頼を得ることができませんでした。

僕自身も今までさまざまな場面で英語でのコミュニケーションに苦労もしましたが、その自分自身の経験や、海外から来る選手、監督を見ていて感じるのは「完璧な英語」で話す必要はないということです。

もちろん、流暢に、文法的にも問題なく話せたら素晴らしいのですが、それよりもまず大事なことは「意図が伝わる」ことなのです。英語はそのためのツール。だから細かい文法等を気にして「イギリス人の話す英語」と同じように話そうとするのは、逆に複雑な伝え方になってしまい、意図が伝わりにくいこともある。それよりも、シンプルな言葉で「日本人の話す英語」で話をしたほうが、意図が伝わる。僕はそう感じています。

実はイギリス人であっても、間違った文法で話すことはよくあります。ライティングをしたら日本人のほうができるくらいです。ベニテスやモウリーニョの話す英語もすごくシンプルなのですが、意図は誰に対しても伝わっています。

僕の感覚では、日本人は間違いのないように英語を話すことに気を使い、文法や発音が違った英語を使うことに対してためらいがあるように感じます。ヨーロッパ人は文法や発音はどうあれ、とにかく伝わるようにガンガン話します。

日本では多くの人が日本語以外に接する機会が少ないですし、国民性もあるのかもしれませんが、コミュニケーションのゴール、自分が伝えるのではなく相手に伝わることを考えたときに、イギリス人の英語をまねるのではなく、「自分の言葉で」伝えようとすることのほうが伝わるのではないかと思います。

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