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「良いコーチ」とは何をもって「良い」とするのでしょうか? ライセンスを持っているコーチなのか、試合で勝ち続けるコーチなのか、知識や経験の豊富なコーチなのか、選手の特長を伸ばせるコーチなのか、人間的にも成長させることのできるコーチなのか。それぞれの人が持っている価値観の数だけ、答えがあるのかもしれません。
UEFA Bライセンスの講習には、さまざまなバックグラウンドを持った指導者が集まりました。国籍もイギリスはもちろん、ブラジル、アメリカ、オーストラリア、アイルランド、フランス、そして日本(笑)。元プロ選手もいれば学校の先生もいて、プロクラブで指導している人も、ローカルクラブで指導している人も、実にさまざまなバックグラウンドを持った人たちが集まりました。
それは指導スタイルにも影響していて、サッカーに対する考え方も人それぞれ。それらを知るのはとても面白く、自分自身を振り返るいい機会にもなりました。各々が考える「良い」サッカー、「良い」コーチの定義も変わってくると、当然そこで議論になります。
ただ面白かったのは、この議論のとき、また講習の教官がフィードバックをするときもそうでしたが、その内容の多くは「どう選手に伝えるのか?」といった部分がメインで、「何を選手に伝えるのか?」といった部分の割合はそれに比べて少なかったことでした。
Bライセンスの講習なので、それなりの経験、知識を兼ね備えた指導者たちなので、基本的なフットボールのプレーに対する解釈は共通したものを持っているとしても、その知識や経験をぶつけ合うのではなく、それらをいかに選手に伝え、選手のプレーに落とし込むのか。そこを重視しているように感じました。
技術や戦術等の知識において、ある程度一般的な共通項はあっても、そこから先はそれぞれの考えやポリシー。もちろんそこに対しての意見交換もありますが、それを否定するようなことはありませんでした。
「チームとしてこういうサッカーを目指す」「こういう選手を育てる」というビジョンや目標を掲げることは、非常に大切なことだと思いますし、そこが根本としてないと指導にもブレが出ると思います。
ただその設定をした後の”How”の部分が、それ以上に大事になってくるのではと感じました。つまりコミュニケーションの部分です。これは口から発するものだけではなく、選手との間でのやりとりすべてで、ジェスチャーやデモンストレーション、サイレントなどの直接的なものだけでなく、選手との間で生まれる空気感みたいなものや、選手のコーチに対しての見方も含めて、いかに選手に伝えていくのか。それらを総合しての「コミュニケーション」はいうまでもなく大事なポイントです。
僕が感覚的に「良い」指導者だと感じるのは、このコミュニケーションがうまい、選手の立場から見て自らチャレンジして技術を習得しようとさせ、実際にさせることのできる指導者です。
そのコミュニケーションのうまさを感じたのが、アメリカ人やブラジル人でした。国籍で一般化できるものでもないとは思いますが、イギリスをはじめヨーロッパの指導者は淡々とロジカルに話をする人が多い半面、アメリカの指導者はコミュニケーションのテンポがよく、選手を乗せる、集中力を維持させるのがうまいと感じました。アメリカ人の演説力が高いのもなんとなく分かった気がしました(笑)。
「伝え方」を、これからさらに意識して試行錯誤を繰り返していきたいと思います! |