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日本ではあまり知られていないかもしれませんが、今プレミアリーグの中で密かに注目を集めるのが、ウィガン・アスレティックと、その監督ロベルト・マルティネスです。
今シーズン開幕前、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したバレンシアら、5人の主力選手が放出されたウィガン。クラブの予算だったら完全に「降格候補」の一角ですが、ここまで中位を保ち、先日はチェルシーを見事3-1で下しました。
そのウィガン・アスレティックを率いるのがロベルト・マルティネス。現在プレミアリーグ最年少36歳のスペイン人監督です。この監督の経歴も少し変わっていて、まだまだスペイン人が海外でプレーするトレンドがなかった時代に、リーガ・エスパニョーラからイングランドへ渡り、2部や3部のクラブでプレーし、引退後にそのままイングランドで監督となりました。スペインではプロの選手としてプレーするのと同時に、大学で理学療法の学位も取得したそうです。
イングランドで最初に率いたのは当時3部のスウォンジー。3部が定位置のクラブを1年で2部へ引き上げ、2部挑戦1年目から上位進出を果たし、周囲を驚かせました。
結果だけでなく、驚きを与えたのがそのプレースタイル。イングランドの2部や3部のクラブは、いわゆるイングランドスタイルのキックアンドラッシュのフットボールがほとんどの中、ロベルト・マルティネス率いるスウォンジーは徹底的にショートパスをつないで相手を崩していくことにこだわり、そのスタイルは「バルセロナのようなフットボールだ」ともいわれました。
実際に、2部のクラブの1試合平均パス数が220本なのに対し、スウォンジーは550本。僕も当時トランメアのトップチームがスウォンジーと対戦したときにちょうど試合を観戦したことがあるのですが、一人一人が常にいいポジションを取り、ボールを保持することを大事にして、状況によって数的優位を作って相手を崩すという、まさに今のスペイン代表やバルセロナのフットボールに近いものを感じました。3部リーグのフットボールに全く違う印象を持っていた自分は衝撃を受けました。
そうしてスウォンジーで快進撃を見せたロベルト・マルティネスを、いくつかのクラブが狙っていましたが、彼自身、プレーヤーとしての自分の古巣でもあるウィガン・アスレティックの監督に就任したのです。
子供のころから、常に戦術について父(元フットボール選手、監督)と語っていたというロベルト・マルティネス。かなりの戦術家であることは、彼のチームを見ても間違いないと思います。
ウィガンでは、まだまだ彼のスタイルが浸透していないようですが、それでも確実に「変化」は感じられます。今季のプレミアリーグは、いつものビッグ4が抜け出すことも今のところはなく、上位と中位の差が詰まってきています。ウィガンのように「ジャイアント・キリング」を起こすチームもまだまだ出てくるでしょう。
ビッグチームだけでなく、ウィガンのような小さいクラブに注目してみるのも、今シーズンの楽しみの一つかもしれません! |