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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■プレミアクラブのメディア対応

2009.10.20


前回のコラムで書いたトランジションの時期のサポートの一例として、ユースチームからプロチームへの準備のため、メディア対応があります。

プロのフットボール選手となれば、当然メディアへの露出もあり、インタビュ-一つで、クラブや選手本人にとってプラスの影響も、逆にマイナスの影響も与えてしまいます。

短いインタビュ-でも、その選手を応援しているファンにとっては貴重な時間であり、直接「自分の言葉」で話をする機会は、選手自身のイメージやブランドを作る要素の一つです。

特にフットボールのメディア露出が他のスポーツと比べても圧倒的に多いイングランドでは、このメディア対応一つで良い印象も悪い印象も与えてしまいます。さらにクラブにとってNG発言をしてしまったら大問題になることも……。

選手のメディア対応は少なからずクラブの利益にも影響があるのです。しかしメディアに対しての予備知識がないと、クラブや選手にとってマイナス効果になる可能性もあります。そういった背景から、イングランドの多くのクラブではプロになる手前のユースの時期に、メディア対応のトレーニングをしています。

やり方はクラブによってさまざまで、記者会見と同じようなセットを作り、質問に受け答えするところもあれば、「いうべき発言」「いってはいけない発言」をリストにして文書化し、選手の発言をコントロールするクラブもあります。

やり方はそれぞれ違っても、選手が真摯に聞かれていることに対してはっきりと答えることは、共通の文化として、また選手の最低限のスキルとしてあるように感じます。

フィールド上では気性が荒く、「やんちゃ坊主」のようなイメージのあるルーニーも、インタビュ-ではしっかり自分の言葉で受け答えしているし、デビューしたばかりのような若手の選手も、突然のインタビュ-に対してきちんと対応できるのは、クラブでの教育と無関係ではないでしょう。

日本でもフットボールのメディア露出はイングランドほどではないでしょうが、それでもメディア自体の影響力がいまだに大きい社会なため「選手の言葉」が与える影響は非常に大きいのではないのでしょうか。

野球の松井秀喜選手や、ゴルフの石川遼選手のように、プレ-だけでなく彼らの発する「言葉」に魅せられてファンになるというケースも少なくないと思います。選手の仕事はもちろんプレ-をすることですが、そうしたことを考えるとメディア対応に対しての意識を高めたり、勉強、トレーニングをすることも、不必要なことではないでしょう。

こうしたメディア対応は一つの例ですが、他にもさまざまなトランジションに対してのサポート、トレーニングがあります。実は僕自身もいろいろと縁があり、今シーズンからリバプールFCのユースチームにて、そのトランジションで起こり得るさまざまな問題に対してのサポートプログラムを作成することになりました。

これはピッチ内外のことを含めてで、本格的にはこれから始まっていくのですが、リバプールFCで実際に行われていることも、これから伝えていければと思います。

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