|
「日本人は働き者」
これはおそらく自他共に認める日本人の特徴だと思います。僕の経験の中でも、イギリス人を始め、他の海外の人たちと比べても「日本人は働き者」の法則は当てはまります。日本では比較的「怠け者」に当たる自分も、イギリスでは「働き者」といわれたりします(笑)
単純に、社会人の勤務時間、休暇数ではもちろん、学校での勉強時間もそうですし、塾に通い、学校外での勉強のための時間に多くの時間をかける学生を、イギリスで見たことはありません。24時間営業の店なんてほとんどなく、大体の店は夕方5時あたりまでには閉まります。
不便に感じることも多いですが、それでも社会は回っていますし、フットボールをする子供たちも成長していくので、よくいえば合理的なのかもしれません。
フットボールにおいてもチームの練習時間、試合数等は圧倒的に日本のほうが多いです。イングランドではプロのクラブであってもU-16以下の練習は週2~3回程度です。試合は土日のどちらかで1試合と決まっています。
試合当日に関しても、例えば日本の一般的な高校生は、試合開始の1時間半~2時間ほど前に集まり、準備をしてアップをして、Aチームの試合をして、Bチームの試合をして、場合によっては午後からもう1試合して……と一日中サッカーという日も少なくありません。それでも選手が試合に出る時間は20分、ということもあります。イングランドでは集合してから解散まで、45分ハーフの試合で大体2時間半から3時間ほどです。
日本で育った僕としては、そういった少ない練習や試合以外の時間は「怠け」で、練習を多くこなすことでうまくなるという感覚があったので、「なぜもっと練習しないのか?」とチームの監督に聞いたこともあります。すると「練習の時間はもちろん大事だけど、フットボールが人生のすべてじゃない。それにフットボール以外のことからも、フットボールに大事な多くのことを学べるんだ」と監督はいいました。
僕自身もイングランドへ渡ってから感じたことですが、ここでは「組織の中で拘束される時間」が圧倒的に少なく、「自分の時間」の割合が非常に高くなります。言い換えれば「組織の中で何かをしなければいけない時間」が少なく、「自分で何をするのか決める時間」が多いというわけです。
組織の中で学べることも数多くありますし、それがムダな時間というわけではありません。しかし「自分の時間」を自分でマネージメントすることは、フットボール選手にとって大事な要素だという話を聞きました。「自分の時間が増える」ということは、すごくうらやましいことのように感じるかもしれませんが、いざそうなると、実際に何をいいのか、最初は僕も戸惑いました。
それでもそのライフスタイルが、「何かをしなければいけない」という受動的な感覚から、「何かをしたい」という能動的な感覚に切り替わるために必要だったと自分では思っています。
仕事の量、練習の量ももちろん大事ですが、「その時間で実際に何を得たのか、どう変化したのか」が先に来るというのは、僕がイングランドの人々から学んだことです。そう考えると、直接的な仕事や練習の時間以外でも、自分の時間を能動的にマネージメントすることだったり、他の経験を通して学ぶことも、総合的に考えたら大切なのかなと考えるようになりました。
フットボールのピッチ上よりも、実はそれ以外の文化や国民性から学んでいることのほうが多いのかもしれませんね! |