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Football for ALL



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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■Football for ALL

2009.8.7


少し前に、Jリーグでも問題になりましたが「人種差別行為」は、どこの国でも、もちろんイギリスでも挙げられる問題です。

歴史的にも奴隷制を採用していましたし、国民性としても、どちらかというと他のヨーロッパの国と比べて閉鎖的なところがあり、社会的な階級も分かれているイギリスでは、人種にしても国籍にしても、他が入りにくい環境ではあります。

もちろん時代も変わってきていますし、すべてのイギリス人がそうだということではなく、傾向だったり、流れている空気としてそう感じます。

イングランド国内のフットボールにしても、昔は外国人選手も少数派だったため、スタジアムの中でも彼ら、特にアフリカ系選手に対しての人種差別発言がよく聞かれたそうです。

その時代はフットボール観戦のチケット代も安く、観客の多くが労働者階級だったということも影響して、そのような発言が多かったとも聞きます。

それを問題視したFA(イングランドサッカー協会)は、”Football for All”というプロジェクトを立ち上げました。その名の通り「人種や国籍、階級などにかかわらず、すべての人がフットボールを楽しめるような環境を作ろう!」ということで、特に人種差別問題に対して厳しく取り組むようになりました。

僕も人種が違う外国人の一人ですが、例えばコーチングライセンスのコースを受けるときには、そのコース終了後のアンケート用紙に自分の人種を書く欄があり、このコースの中で人種差別的な問題はなかったかチェックされます。

メディアや社会的にも、人種差別に対して厳しくあたるような風潮ができて、今では少しでもそのような発言や行為があれば、大バッシングを浴びます。外国人の受け入れも積極的になり、昔とは大分変わったといいます。

それでも、完全に人種差別の問題がなくなるわけではなく、メディアには現れないような小さな問題は今でも数多くありますし、特にリバプールのような地元の人間が多い規模の小さな田舎町では、至るところで問題があるのも事実です。

そういった中で「フットボール」が持つ役割というのは、一スポーツ以上のものなのかもしれません。”Football for All”が示すように、フットボールは、お金も場所も道具も最低限のものしか必要なく、年齢、人種、国籍、性別、階級などに縛られず、誰もが楽しめるエンターテインメントです。

普段の生活ではつながらないような人たちとも、フットボールを通して通じ合えたり、分かり合えたりすることは、フットボールの持つ大きな魅力だと思います。

日本では、人種という概念は普段の生活ではなかなか感じることがないですが、外国人に対して壁を感じることはあっても、差別するようなことはほとんどなく、日本に行ったことのある外国人のほとんどが、日本の「人」を好きになるのは、素晴らしい文化だと思います。

それが素晴らしいことなんだということを、フットボールを通じて知り、またそれを続けていくことが、フットボールに関わる人の仕事の一つなのかもしれません。

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