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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■変化するマンチェスター・シティ

2009.7.22


「今夏のプレミアリーグ移籍情報=マンチェスター・シティの移籍情報」
といってしまえるほど、シティが大金をつぎ込み、次々に選手を獲得しています。

アストン・ビラからイングランド有数のセントラル・ミッドフィールダー、ギャレス・バリーを引き抜き、マンチェスター・ユナイテッドからはテベス、さらにアーセナルからアデバヨールと、プレミアトップクラスの選手たちを獲得しています。

話題性ではレアル・マドリードに劣りますが、それでもイングランド国内ではビッグニュースを次から次へと演出するシティ。この資金力は当然昨シーズンチームを買収したUAEの投資グループADUGの影響なのですが、彼らがクラブを買収する以前は、真逆といってもいいほど別のチームでした。

同じ都市にホームを置くマンチェスター・ユナイテッドが世界的にファンを増やしていくのとは対照的に、シティはまさに「シティ(町)」のクラブ。マンチェスター市民には、実はユナイテッドよりシティのほうが人気だったりします。

マンチェスター出身、下部組織出身の選手が多かったのも、その要因の一つかもしれません。実はこのマンチェスター・シティの下部組織は、イングランド内でも1、2に評価が高く、多くのプロ選手を輩出し、チームとしても好成績を残しているのです。

実際に現チームの中でも、ショーン・ライト・フィリップス、ミカ・リチャーズ、マイケル・ジョンソン、スティーブン・アイルランドと、中心選手が下部組織出身の選手で、ユースチームもリバプールやユナイテッドなどのチームを抑えて、FAユースカップやリーグ戦で好成績を収めています。今もユースチームには多くの有望選手が所属しているのです。

トップチームで活躍している選手がユースチームから昇格し、公式戦デビューを果たしたのが大体18歳~19歳。しかし来シーズン、この年でデビューを飾る選手はほとんどいないでしょう。

今世界中で、特にイングランドで問題視されているように、多額の資金をつぎ込み、優秀な選手を外から獲得してくることによって失われる若手有望選手のプレー機会の減少が起こっています。

これには賛否両論があり、ファンにとっては、「とにかくチームが強くなれば何でもオッケー」という人が意外にも大部分を占めていますし、逆に現場で選手の育成に携わる人たちは、この状況に危機感を感じています。

クラブにとっては、単純にクラブが強くなり、利益が得られればいいのかもしれません。それでも、効率を考えるとただお金をかけて良い選手を獲得していくことが、本当に強化につながるのかどうかは個人的には疑問です。

アカデミー(下部組織)の運営にかかる費用は、リバプールのようなビッグクラブでも年間2~3億円。トップチームのレギュラークラスの年俸が同じくらいか、スター選手になればその何倍にもなります。

移籍金を考えるとアデバヨールが約38億円、サンタクルスが約28億円、バリーが19億円。下部組織から一人プロ選手を生み出すのにかかる費用の何十倍もの費用がかかります。無駄だとはいいませんが、それがベストのやり方なのでしょうか。

野球の野村克也監督(楽天)が「4番とエースは育てられない」というように、育てて選手を生み出すにも限界があると思いますし、勝つにはお金をかけてスター選手を獲得しなければいけないかもしれませんが、「バランス」は大事なのかなと思います。

そういった意味でもユナイテッドやリバプール、アーセナル等は補強やチーム作りにもしっかりとしたコンセプトを持って、バランスよくやっています。そういった部分を見ても、僕の予想は「まだシティはビッグ4にはかなわない」です! シーズン開幕が今から楽しみです!

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