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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■イングランドの指導法は「自由」?

2009.6.17


「イングランドのジュニア年代では、どのようなトレーニングをしているのか?」という質問を日本の方から受けることがあります。

何か特別なトレーニング法や考え方があるのか? ジュニア年代から日本との違いがあるのか? 若年代の選手の引き抜きが当たり前のようになり、それが一つの強化法でありビジネスにもつながっている中、12歳以下の年代での育成というのは以前にも増して注目されています。

イングランドといっても、各クラブやチーム、コーチによって、トレーニング法などは変わります。その中でもある程度共通した考え方というものも存在します。FA(イングランドフットボール協会)や各クラブでも、まず最初に重要視するのは「フットボールを楽しむ」ということです。

もちろん技術的なことであったり、フットボールのスキルを身につけるためにトレーニングをするわけですが、それを目的とした基礎的なボールコントロールなどの反復練習をすることは意外に多くはありません。

それよりも、まずフットボールの楽しさを感じるために、スモールサイドゲーム(ミニゲーム)を数多く取り入れています。まずは「フットボールのファンになる」これがイングランドにおいてのジュニア年代の重要なテーマです。

子供たちをフットボールから離れさせない、または将来「燃え尽き症候群」をなくすためにも、このテーマは重要だととらえられているのですが、実はスキルアップの面でも、ジュニア年代でのスモールサイドゲームを中心としたトレーニングの有効性が実証されています。

僕の通っている大学での研究によると、12歳以下で、指示された反復練習を中心にトレーニングした選手と、自由に数多くのゲームを経験した選手とでは、18歳になったときに後者のほうがより、高いレベルでプレーしている割合が高いという結果が出ました。

またそれと同時に、同じ状況(相手、距離、環境など)での同じ技術(パス、シュート、ドリブルなど)の練習の反復と、さまざまな状況でランダムに技術が必要とされる練習でも、後者のほうが吸収率が高いという結果が出ました。

それを意図しているかどうかはわかりませんが、イングランドのジュニア年代では、スモールサイドゲームを数多く取り入れるのと同時に、クラブでの練習以外の、遊びのフットボールを多くするように促していて、そのためにクラブでの練習も週2回や多くて3回と、比較的少なくしています。

チームのトレーニングで行うスモールサイドゲームでも、プレーに対して指導するような場面が少なく、ある程度自由にやらせている印象が強いです。

ジュニア年代での技術獲得、トレーニングが大事だという流れとは、表面的には反対を行っているようにも感じます。しかしそれが将来プラスになるという考えで、このような取り組みを行っているのです。

僕も現在週2回はジュニア年代の指導をしていて、自由にプレーさせるというより、ゲームの中で必要となってくる技術を習得していった方が、結果的に子供たちもゲームの中で楽しくプレーできるのではないか、という考えもあったのですが、少しずつフリーのスモールサイドゲームの量を増やしていきながら、反応を見ていきたいと思います。

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