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先日、イングランド国内でユースリーグのチャンピオンを決める大会、FAユースカップの観戦に行ってきました。これは育成年代で唯一の全国規模での公式戦であり、最大の大会です。
決勝に進んだのはアーセナルとリバプール。両チームとも優秀な選手をそろえたチームです。リバプールユースはいつも見ているので、選手、スタッフもよく知っていて、自分のチームのように感じている部分もあるので、個人的にも非常に楽しみなゲームでした。
ホーム&アウェーの2戦合計で争われる決勝戦。ファーストレグはアーセナルトップチームのホームスタジアム、エミレーツスタジアムで行われ、観客も3万人以上が集まり、ユースの試合とは思えないような雰囲気でした。
日本でいえば高円宮杯、または高校選手権にあたる大会でしょうか。しかし、日本のユース年代トップを決める大会とは、見え方が少し違います。ヨーロッパとの「違い」というと、サッカーのレベルの差ととらえられることが多いと思いますが、そうではありません。その年代の大会のとらえ方の違いです。
まずアーセナルとリバプールのメンバーを見ると、その多くが15歳、16歳であり、18歳以下の大会でありながら、18歳の選手は少数です。18歳の選手の多くはトップ、またはリザーブチームでプレーしているか、すでに他クラブでプレーしているのです。そして15歳、16歳の才能豊かな選手がユース年代でプレーしているのです。
特にアーセナルはトップチームでも多くの10代選手が起用されます。16歳でデビューし、現在はキャプテンを務めるセスク・ファブレガスや、19歳で主力に成長したウォルコットなどはその代表例です。若手を多く起用するカップ戦では、11人の平均年齢が18歳というときもあります。
18歳で「ユースの大会」で活躍していては少し遅いという感覚があるのです。例えばリバプールでは40人ほどの選手がリザーブチームでプレーしていて、その多くが10代の選手です。
もちろん18歳から伸びる選手もいますし、まだその時点で可能性を判断されるわけではありませんが、18歳時点でのトップレベルの選手は、もうユース年代の大会には出ていません。それと同じように、15歳のトップレベルの選手は、15歳の試合には出ていません。同じ年代で飛び抜けている選手は、常にその上の年代、レベルで戦っているわけで、自分が「特別な存在」になるような環境にはいないのです。
さらに16歳以上になると、外国人選手の割合も多くなってきて、実際にこの決勝戦でも4割ほどはイングランド国外出身の選手でした。そうなると、より競争率は激しくなってきます。
常にその時点での選手のレベルより上の「壁」が設定されるのは、自分が特別な選手だという「勘違い」を減らし、常に上を目指すという向上心を引き起こす環境作りに役立っていると思います。FAユースカップはユース年代のチャンピオンを決める大会ではありますが、それ以上に選手、特に16歳以下の選手のステップの場として大きな意味を持っているようです。 |