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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■プレーオフ進出をめぐる死闘

2009.5.9


トランメア・ローバーズのトップチームが属するフットボールリーグ1(3部)は、全日程を終えました。トランメアの最終戦は本当に熾烈な戦いでした。

3部リーグから2部リーグチャンピオンシップへは、1位、2位が自動昇格、3位から6位までがプレーオフを行い、1チームが2部リーグへ昇格できるのです。

最終戦を迎えてのトランメアの順位は7位。6位スカンスロープとの勝ち点差は「2」。そして最終戦の相手はそのスカンスロープとの直接対決。勝てばプレーオフ、負ければ今季終了となる、まさに運命の一戦です。

このプレーオフ争い、またプレーオフが、下位リーグをシーズン最後まで盛り上げる要因となっています。プレミアリーグでは4位まで出場可能なチャンピオンズリーグ出場権と、その下の順位に与えられる(カップ戦の結果によって変わる)UEFAカップ出場権を争い、最後まで緊張感のある戦いが続くのですが、2部リーグ以下は、昇格争いとプレーオフ出場権が、選手のモチベーションを高める要因になるわけです。

このような具体的で現実的な目標がなく、昇格にも降格にも関わっていない中堅チームのモチベーションは、この時期は目に見えて落ち、優勝や昇格を争う監督たちも口々に「この時期に降格争いをしているチームと戦うのは非常に難しく、相手の順位に惑わされてはいけない」といって、中堅チームと戦うときよりも気を引き締めているように感じます。

他の国の熱狂的なリーグでうわさされるような、昇格、降格争いをしているチームが、それを争うライバルチームの対戦相手に、いわゆる賄賂を渡すようなことまでは、イングランドでは聞かれないですが(笑)、熱狂度としてはそれほどのものがこのシーズン終盤には見られるわけです。

さて、その熱狂の真っ只中にあったトランメア・ローバーズ。最終戦はアウェー。僕自身は自分の試合があったため、観戦に行くことはできなかったのですが、大勢のサポーターもアウェーに乗り込みました。

3部ではリーズなどの1部の人気クラブを除いて、平均観客数は約6000人程度(ちなみリーズは2万4000人ほど)ですが、この最終戦は1万人近くがスタジアムに集結しました。

僕も、現場にいなくても緊張感があり、どこかそわそわしていました。そして、結果は・・・

先制したものの追いつかれ、1-1の引き分け。

トランメアの最終順位は7位で、惜しくもプレーオフ出場権を逃してしまいました。終盤にケガ人が続出したのが、層の薄いトランメアとしてはかなり響き、またアウェーということもあったのですが、それ以上に「勢い」が失われていることが響いたようにも感じました。残り3節までは6位に位置していたのですが、そこから足踏みし、順位も追い越されて迎えた最終戦でした。

僕はトップチームに直接関わっているわけではないですが、このプレーオフ争いを見続けられたことは、自分の中でもいい経験となりました。

こういう緊張感のある戦いの中では「勢い」というものが本当に出るなと感じました。うまくは説明できないですが、戦術面やコンディションの準備以外の要素、チームの雰囲気であったり、一体感というものは大きく結果に影響することを実感しました。

そのようなチームの「勢い」をつけるには、「勝つ」ことがいちばんだと、以前にある監督もいっていました。単純に答えを出すことはできませんが、確かに「勝つ」ことが、一つの良いサイクルを生み出す最大の方法なのかなと感じました。それがコントロールできなくて難しいことなのですが、今度は僕自身がそういった経験を積む中で学んでいきたいと思います。

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