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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■プレミアリーグの成功

2009.4.22


皆さん、チャンピオンズリーグ準々決勝第2戦リバプールvsチェルシーの試合は見られたでしょうか? 僕は普段テレビで試合を見ていても「学ぶ」感覚のほうが強く、試合自体に興奮するということはそれほどないのですが、あの試合は単純に見ていて面白い、興奮する最高のエンターテインメントでした。次の日の新聞には4-4というゴール数にかけて”Gre8test Match!!”(最高の試合)という見出しも躍り、誰もが素晴らしい試合だといっていました。

リバプールは残念ながら敗れてしまいましたが、今年もチャンピオンズリーグのベスト4のうち3チームがイングランド勢となりました。これで3シーズン連続ベスト4のうち3チームがイングランド勢。他のヨーロッパ各国では「金の力」だという人も多いですが、経済力は重要な要素だとしても、お金のあるチームが常に勝てるわけではないということは歴史も証明しています。それ以外にもピッチ内、ピッチ外でさまざまな要素が絡み合ってこの結果が出ていると思います。

それでもプレミアリーグのクラブは経済力があり、質の高い監督、選手を獲得しているのも事実。最近出されたフットボールクラブ資産価値の世界ランキングでも、マンチェスター・ユナイテッド(約1870億円)の1位を筆頭に3位アーセナル(約1200億円)、5位リバプール(約1010億円)、8位チェルシー(約800億円)と、イングランドからチャンピオンズリーグに出場している“ビッグ4”は、世界の他のスポーツクラブと比較してもトップレベルの経済力を誇ります。ビッグ4以外でも、トップ25クラブのうち9クラブがプレミアリーグ所属。

それではなぜプレミアリーグはこれほどまでお金を持っているのか。一つは多くの方もご存知のように外国の資本が入ってきたこと。これにはリスクやデメリットもありますが、プレミアリーグではほとんどのクラブが上場していて、しかも資金流入に制限がないので、目的はさまざまですが海外の大富豪が次々にクラブを買収するようになりました。ビッグ4の中でもマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リバプールのオーナーは外国人です。

もう1つは入場料、広告料、放映権料、マーチャンダイジングなどから得るクラブ収入ですが、中でもプレミアリーグの経済力を上げる大きな要因になったのが放映権料です。イングランドでは1992年にそれまでのフットボールリーグから、新たにプレミアリーグが設立されましたが、その際にリーグは有料放送チャンネルと独自に高額の放送権契約し、莫大な収入を得ることになりました。それを各クラブへ前シーズンの順位によって厳密に分配する形をとっています。ちなみにリーグが契約したここ3シーズンの放映権料は総額で約5600億円という莫大な額になっています。

さらにこの放映権料の中でも、最近では国外の放映権料が占める割合も徐々に高くなり、世界中で放映されることによって資金が集まり、その資金によって商品価値の高い選手が集まり、さらに放映権料が高騰するという循環が生まれています。

こうしてフットボールが大きなビジネスになるのも、根本的にはイングランドでのフットボール文化というものが確立されているからこそ成り立つものではないでしょうか。多くの人がフットボールをする、見る、そこにお金を落とすことによって、フットボールの価値が高まり、大きなコンテンツとしてさまざまな形でビジネスが派生する。それが還元されて、さらに多くの人がフットボールを好きになり、環境も整い、良い選手が来る、生まれる、という循環ができる。このサイクルが現在のプレミアリーグクラブの躍進につながる大きな要因の一つではないかと思います。

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