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今年に入ってから、トランメアでの指導と平行して地域のアマチュアクラブでジュニアチームの指導もさせてもらっています。
このチームに関しては、ほぼ自分一人で見ているので、トランメアでの指導とはまた違ったことを日々学ばせてもらっています。
このクラブは小さな町クラブなのですが、U-9からU-18まできちんと組織されていて、Charter Standardを持つクラブとして認められています。
このCharter StandardというのはFAが定めた基準を満たしたクラブに与えられる設立許可証のようなものです。一定以上のライセンスを持ったコーチ、スタッフの人数、複数の年代のチームを持ち、長期的な育成プランを示したりと、いくつかの基準をクリアすると晴れてCharter Standardのクラブとして認められます。
その辺りのグラスルーツレベルの普及、育成の組織はさすがサッカーの母国だけあり、きちんと整備されていますし、その部分がイングランドフットボールの基盤を作っているのではないでしょうか。
イングランドでは男の子の場合、おおよそ8割は小学生年代の少なくとも1度はどこかのクラブ、またはスクールチームでフットボールを経験しています。(女の子のフットボール人口も非常に高いです。)
それだけ子供たちの受け皿が充実しているのです。これは先ほどのCharter Standard等のFAのサポート、努力に加え、地域の住民、関わる人たちの力が非常に大きく影響しています。
例えば先日対戦したチームのユニホームには「The Oxford」という文字が入っていました。彼らのチーム名がOxfordというわけではなく、これは町のとあるパブの名前なのです。そのパブが資金を提供しユニホームを作ったわけです。
このようにイングランドでは町の小さなパブ、レストランや商店などがいわゆる「スポンサー」となってクラブを支えているのです。
当然その規模は全く違いますが、組織的には小さな「プロクラブ」と変わりません。スポンサーになることでの表面的なメリットは少ないでしょう。しかし小さなフットボールクラブと地域が一体化しているので、「自分たちのチーム」をサポートするのは当たり前という感覚なのです。
地域の人同士の距離感が近く、フットボールに気持ちよくお金を落とせる。この文化がイングランドフットボールの基盤を支えているのではないでしょうか。
フットボールの持つ大きな魅力は「人をつなげる」ことだと僕は思います。日本でも日韓ワールドカップで日本代表が試合に勝ったときには、知らない人同士でも手を取り合って喜びあいました。
元々自分の中にあるアイデンティティーがフットボールによって表に出て、同じアイデンティティーを持つ人同士でつながる。クラブの大小に関わらずイングランドのクラブを見ていると改めてそう感じます。
日本でも非常に多くの人のボランティアによってフットボール界が成り立っています。ただそれが「負担」になってしまってはフットボールの本質からずれてしまいます。
歴史や文化も違うのでイングランドのように、というわけにはいきませんし、そうする必要もないのですが、「人をつなげる」フットボールは今の日本だからこそ社会的に持つ役割も大きくなるのではないでしょうか。
最近では日本代表の人気がないという話をよく耳にしますが、日本代表を盛り上げようとする前に、根本的な基盤の部分。更にいえばフットボールはなぜ楽しいのか、なぜ社会に必要なのかといった部分を見つめ直すときなのかなと個人的には思います。 |