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Column コラム

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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■本当に日本人はフィジカルが弱いのか?

2009.1.20


「日本人はフィジカルが弱い」という言葉を日本ではよく耳にします。それは日本が世界と戦うときの不利な点だという見解も大部分であるのではないでしょうか。日本代表がボディーコンタクトで海外のチームに負ける場面を見て、そういった認識があるのではないでしょうか。

フィジカルがサッカーにおける決定的な要素だとは決して思いませんが、当然その能力はサッカーのパフォーマンスに影響を与えます。

それでは日本人は本当にフィジカルで世界に劣っているのか? 個人的な考えでは劣っているとしても、そこまで差はないのではないかとイングランドのサッカーを見て感じています。

確かに「体格」には差があり、平均身長や平均体重は明らかに違います。しかしトランメアやリバプールのフィジカルトレーニングを見ていると、決して体の能力に差があるとは思わないのです。17歳以下は特にそうです。

残念ながらアフリカ系の選手などとは明らかな差があります。それは遺伝的な観点からもある程度実証されていることであり、アフリカにルーツを持つ選手は筋肉の質も違います。

しかし白人のイングランド人と日本人を比べると、コーディネーションやアジリティー、バランスの部分では明らかに日本人が上回っていますし、筋力という面に関しても負けていないと感じるのです。日本で一般的にいわれる「運動神経」に関しては全体的に見て日本人のほうが上です。

きちっとしたデータを比較したわけではないですが、日本のサッカー選手とイングランドのサッカー選手で「体力テスト」をしたら、おそらく総合点では日本人が上回るでしょう。

それでも実際のサッカーの試合になると、ボディーコンタクト時に明らかに差が出ます。簡単にいうと「つぶされる」日本人は多いです。筋力でも負けているわけではないのに、なぜボディーコンタクトで負けてしまうのか。

それはフィジカルの「使い方」に問題があるのではないかと僕は感じています。

イングランドでも筋力や体格で相手に劣っている選手はいますが、それでもボディーコンタクトで簡単につぶされる選手は少ないです。その「使い方」の部分を実戦の中で繰り返し繰り返し学んでいるからです。

ダイレクトな縦に速いプレースタイルも影響しているのでしょうが、イングランドでは小さい年代からボディーコンタクトが非常に激しく、その回数も多いです。そのコンタクトで負けることを恥のようにとらえられる文化なので、どのコンタクトに対しても全力で向かっていきます。

そこで重心の取り方、バランスの取り方、手の使い方、体の向きなどを自然と学んでいるのです。指導者が細かい指導をするわけではありません。その濃密な実戦こそがいちばんの練習になるのではないでしょうか。

日本人が持つアドバンテージ、例えば細かいボールテクニックを武器にしてポゼッションをし、極力ボディーコンタクトを避けるようなプレーを目指すことは理にかなっていますが、そのボディーコンタクト自体は、サッカーのゲームにおいて避けることは絶対にできません。

そこで負けないためにも、フィジカルの使い方のレベルを上げ、そしてそれを学ぶためにもさらなる「激しさ」というのが、練習でも試合でも必要なのではないかと感じました。

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