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世界中で絶大な評価を得る米国の経済学者アラン・グリーンスパンが「おそらく百年に一度の事件」と評する経済危機が、米国を中心に世界各地で叫ばれていますが、その影響はサッカー界にも出ています。
プレミアリーグのクラブは近年外国人オーナーの参入などで大規模な資金をバックに、選手や監督、またスタジアムや施設等にも大金を使ってきました。しかし現在の金融危機は、プレミアリーグのクラブに特に大きな影響を与えています。
プレミアリーグのメーンスポンサーであるバークレーは、2009-2010年シーズンを最後に契約を打ち切ることを発表しましたし、以前は黒字経営だったマンチェスター・ユナイテッドも多額の負債を抱えています。リバプールも取引先の銀行の影響を受けて多額の負債を抱え、フェルナンド・トーレスを放出か? といった噂も出ています。「金萬クラブ」と呼ばれたチェルシーでさえ影響を受けています。それ以外にも売りに出されているクラブもいくつかあり、非常に深刻な問題となっていることは明らかです。
プレミアリーグの多くのクラブのように、クラブの資金をスポンサーやオーナーに頼っていては、そのスポンサーやオーナーの経営状況が直接的にクラブにも影響します。
さらに借金依存度の高いプレミアクラブでは、銀行の金利が大幅に上がっていることはクラブ経営に大打撃です。それにも関わらず高額の年俸の選手を多く抱えていては、いずれクラブの経営も成り立たなくなっていくのも当然です。
イングランドのクラブでは、Jリーグのように地域密着や入場者数増加のための努力をしなくても、昔から当たり前のように地域密着があり、多くのスタジアムに満員の観客が集まりました。収入を上げる努力をしなくても収入は確保できていたわけです。
ですが外国資本が入り、お金を持つようになり、その収入以上のものを求めるようになりました。結果としてピッチ上のパフォーマンスも上がったのかもしれませんが、長期的に見たらプラスになっているのでしょうか。大きなスポンサーがつくことが悪いというわけではないですが、今の状況ではお金を持つ人が単にクラブを「買って」いるようにしか感じません。
クラブ側も、ただお金が欲しいために「売り」に出したり大きな資金を持った大富豪の力を求めるのではなく、お金以外の部分に価値を見いだすようなスポンサーとの付き合い方が必要なのではないでしょうか。
トランメア・ローバーズのユニホームには”WIRRAL”という、クラブのある町の名前が入っています。規模は隣のリバプールFCの10分の1ですが、町そのものがスポンサーであり、まさに市民に支えられているクラブです。
さらに身の丈にあった経営で結果を出そうと努力しています。プロ契約を結んでいるトップ選手の数は24人(ちなみにリバプールやマンチェスター・Uは60人以上)で、選手育成に力を入れ、育てた選手を他クラブに売却することでかなりの割合の資金を得ています。
もっと規模の大きなクラブを見ても、バルセロナは世界14万人のソシオが支えていることで有名ですし、現在の金融危機の打撃も少ないです。一般出資の割合を定めているドイツのクラブもそうです。
根本的にフットボールは何なのか、フットボールクラブとは何なのかというものを考える時なのではないでしょうか。 |