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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■監督とヘッドコーチ

2008.12.28


先日、トランメア・ローバーズのトップチーム(イングランドプロ3部)の練習に帯同させてもらう機会を得ました。イングランドではプロチームのトップの練習を見学することが非常に難しいため、かなり貴重な経験をさせてもらいました。

そこで感じたことはいろいろとあるのですが、今日はその中でも監督とコーチの役割について書きたいと思います。日本とイングランドではトップチームの「監督」のあり方にかなり違いがあります。

トランメアのトレーニングで、監督がトレーニング場に姿を現したのは選手がウオーミングアップを終え、実践練習に入るころ。その実践練習に入っても指示を出すこともなく練習をながめていました。その間、練習を仕切っていたのはすべてヘッドコーチでした。

これはトランメアだけでなく、イングランドのクラブではトレーニング現場の指揮は基本的にコーチの役割です。それでは監督の役割は何なのか?イングランドで監督は”Coach”ではなく”Manager”と呼ばれます。

現場だけでなくチーム全体の強化のトップであり責任者であるManagerには、チーム全体をオーガナイズし、正しい方向へ導くことが求められます。そのために選手とは少し距離を置き、客観的に見つつ問題を見抜き、修正してチームを良い方向へ持っていこうと努力します。

クラブにもよりますが、チームの補強や選手の契約に関しても大きな権限を持つ監督も多く、GM(ゼネラルマネージャー)的な仕事を請け負うのもManagerの仕事です。

しかし現場のトレーニングを任せるということは、当然コーチと監督の方向性が一致していないといけません。そこで、多くの場合監督は自分のコーチングスタッフを持っています。自分があるクラブの監督に就任した際には、そのコーチングスタッフを一緒に連れてくるわけです。

その監督を含めたコーチングチームで共通の方向性を持ち、それぞれに明確な役割があります。そのチームのリーダーであり全体のオーガナイザー、ディレクターがManagerというわけです。

ですから、イングランドでは監督が辞任や解任された後に、ヘッドコーチが後任監督に就任するというケースはあまりありません。入り口の時点でManagerになる人かCoachになる人か大まかに分かれるのです。

さらに現代のクラブでは、チーム内の役割が細分化されてきています。スポーツサイエンティスト、フィジオセラピスト、マッサー、キットマンなど含めリバプールFCの場合ではトップチームだけで21人のスタッフがいるのです。更にスポーツ心理学者や栄養学者などのパートタイムスタッフも含めればさらにその数は多くなります。

このように仕事が細分化されていくほど、Managerのように全体をオーガナイズする能力に長けた人物が必要とされますし、CoachとManagerに求められる資質に違いも出てくるわけです。

そして最終的な責任を背負うのもManagerの役目! 今シーズンのプレミアリーグでも、すでに6チームのManagerがシーズン中に変わっています。Managerを変えれば成績がよくなるわけでもないですし、目の前の結果をプロとして目指しつつ長期的な視野も持つ必要があるとは思いますが、それだけ影響力のある仕事なのですね。

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