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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■フェアプレー枠でUEFAカップ出場

2008.5.20

先週の話ですが、イングランドのクラブに「フェアプレー枠」という形で、UEFAカップへの出場権が一つ与えられました。

どういった基準でイングランドにフェアプレー枠が与えられたのかわかりませんが、この機会にイングランドにおけるフェアプレーについて考えてみたいと思います。

イギリスのイメージとしては「紳士の国」というものがあるでしょうし、その精神はサッカーに反映されていると感じる部分もあります。

当然、激しいボディーコンタクトはありますが、故意のファールや悪質なタックル、他にも「マリーシア」と呼ばれるようなプレーは他の国と比べると、かなり少ない気がします。(あくまで少ないというだけで、そういったプレーもあります。)

でも不思議なのは、海外の選手が多くなり、イングランド人の割合が少なくなったプレミアリーグでも、そのフェアプレー精神に変化がないように感じることです。

現代のサッカーでは、時間稼ぎのためにわざと倒れたままでいたり、PKを獲得するためにわざとダイブしたりといったプレーもあります。それは勝つために必要だと考えている人も世界には多くいるでしょう。

しかし、イングランドは基本的にそうではありません。

なぜイングランドにフェアプレー精神が根付いているのか? 僕が個人的に感じるのは「フェアプレーを心掛けよう」という気持ちも確かにあるのですが、それ以上に「スピード感のある試合が求められる」という要素があると思います。

つまり、ファウルなどで試合が止まるのを非常に嫌うのです。イングランド人は常に流れるような速い展開を求めます。プレーしている選手が変わっても、見ている観客は今も昔も変わらずイングランド人です。求められるものは変わりません。

試合終盤、エキサイティングな試合の中で、時間稼ぎのためにわざと倒れている選手がいると、ひどいブーイングになります。

観客が見たいのは選手が倒れている姿ではなく、フットボールをしている姿なのです。それは当然といえば当然なのですが、現代では忘れられがちな部分であると思います。そのあたりはさすが、フットボールの母国ですね。

この点については、トップチームだけでなく育成年代でも同じことです。わざと倒れたり、時間稼ぎのために倒れるというのは見たことがないし、もちろん指導もしません。

審判への文句についても、いわないように指導されるクラブが多いです。それはまず、選手としてだけでなく人間としても育てよう、人間として育たないことにはフットボーラーとしても育たない、という考えを持つクラブが多いからです。

そういった部分は個人的にも共感できますし、日本にも似たような考えは根付きつつあるかと思います。ただ、世界の流れとしては、PKを取るためのダイブや時間稼ぎも求められているでしょう。

しかし、そういった流れに染まらず、自分たちのスタイルを貫き、その上で勝っているイングランドや日本。そういったスタイルで勝つことで、フットボールの本質を証明してくれたらと思います。

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