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深澤 佑介
イングランド

新・イングランド通信 ~No Football No Life~

深澤 佑介
1986年8月1日生まれ。静岡県出身。
高校まではとにかくサッカーに明け暮れ、卒業後、指導者の道を志し2006年に渡英。1年間アマチュアクラブでプレー後、2007年にリバプールに移り、リバプール・ジョン・ムーアズ大学のサッカー科学部に進学。同時にイングランド・ディビジョン1(プロ3部)のトランメア・ローバーズにて育成部のアシスタントコーチに就任。リバプールFCの下部組織でも研修を受ける。サッカーの母国にて日々悪戦苦闘中。
FAレベル1コーチングライセンス取得。

イングランド

■FAユースカップ決勝からの考察

2008.4.22

先日、FAユースカップの決勝戦が行われました。これはユース年代、唯一にして最大のFA主催の公式戦です。日本でいえば、高校選手権や高円宮杯にあたるものでしょうか。

決勝に進んだのは、チェルシーとマンチェスター・シティー。

チェルシーは、その資金力でユース年代でも世界中からスカウティングを行い、トップチームに負けない多国籍軍団を形成。その集められた個々の能力は世界でもトップレベルといえます。

一方のマンチェスター・シティーは、イングランド人が中心で、特別に目立つ選手はいないものの、個々のレベルが高く、ハードワークのできる非常にいいチームです。

そんなハイレベルな両チームの決勝戦は、非常に見ごたえのあるものでした。チェルシーホームの第1戦を1-1で終え、迎えたシティーホームでの第2戦。チェルシーが先制するものの、シティーが追いつき、さらに逆転。結局2戦合計4-2で、マンチェスター・シティーが優勝しました。

自分自身、学ぶものも多く、刺激を受けた試合でした。この試合を見る中で浮かんだのは、「日本の高校生がこのチームと試合をしたらどうなるだろう?」ということ。家に帰ってすぐ、友人から借りていた日本の高校選手権の決勝のDVDを見直し、イメージを膨らませてみました。

その中で個人的に感じ取った、日本の高校生との「違い」をいくつか書きたいと思います。

1. キックの質
これは特に、パスをするときのキックの質です。明らかに感じ取れるのはパススピード。イングランドの選手のパスは、日本と比べると異常なほど速いです。さらにグラウンダーのパスがボコボコ浮かない。基本の部分ですが、非常に重要だと思います。このパスの質が高いため、ディフェンスラインでのビルドアップも幅が広がり、少ない人数で行うことができます。するとその分、前に人数をかけることができます。ショートパスに加えてロングパスも正確なため、大きく速い展開も可能になります。

2.プレッシャーの中での技術
FAユースカップ決勝は、どちらも前線から非常に速いプレスをかけていました。しかもきちんとコースを限定しながら、2人目、3人目の狙いがある連動したプレス。フィジカル的な強さもあるため、実際にはかなり迫力のあるプレッシャーを感じていたと思います。しかし、その中でも慌てず余裕を持ってプレーできている。きちんと周りが見えていること、判断が早くて迷いがないこと、さらには精神的な強さも大きいのではと感じます。

3.ディテールの正確さ
アーセナルのベンゲル監督は、「いちばん大切なものはディテールだ」といっています。この決勝を見ていると、あらめてその重要性を感じました。例を出すとファーストタッチ。プレッシャーのかかる中でのファーストタッチを、日本の選手はとりあえず奪われない位置にコントロールしているのに比べ、チェルシーやシティーの選手は「その次」まで考えてコントロールしていました。

4.前への意識
これはイングランド全体に共通していることかもしれませんが、とにかく縦への意識が強くて、前に速い。前方にスペースがあれば、すぐさまボールを動かします。斜めのパスも有効に使いながら、横パスからダイレクトで縦に入るケースが多いため、DFとしても奪うタイミングが読みづらく、速いテンポでゴール前まで進むため、迫力、躍動感があります。また、縦への1対1の仕掛けにも迷いがありません。シティーの得点も思い切った1対1の仕掛けから生まれました。

まだまだたくさんあるのですが、僕が個人的に感じ取った中で、目立つポイントを簡単に書かせてもらいました。今回はイングランドの良さを書かせてもらったのですが、もちろん日本のほうが優れているポイントもたくさんあります。しかしいい面、悪い面含め、日本のユース年代のサッカーと違いがあるのは事実ですし、日本も世界へ出たら彼らを相手にしなければいけません。そのイメージを残しつつ、日本がどう戦っていけばいいのか、これからも自分なりに探っていこうと思います。

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