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安田 好隆
メキシコ

メキシコ通信~「Si se puede!」やればできるさ!~

安田 好隆
1984年9月19日生まれ。東京都出身。高校時代より指導者を目指し、卒業前から母校である國學院久我山高校の指導にあたる。横河武蔵野FCの指導を経て、2007年8月にメキシコへ。メキシコ第2の都市、グアダラハラに本拠地を構える、チーバス・デ・グアダラハラのサッカースクールで監督を務め、今シーズンからPachuca ADALUのU-15監督に就任。また、スポーツコーディネーターとして日本から来るクラブのメキシコ遠征コーディネートやメキシコ人指導者による日本でのサッカークリニックも行っている。メキシコサッカー協会公認ライセンス レベル3取得。「Si se puede!」(スィ・セ・プエデ)は、スペイン語で「やればできるさ!」の意。

メキシコ

■試合前のウオーミングアップ

2010.9.1


こんにちは。

先日、2年連続でフランシスコ・アランダ・ヴァジェ(通称パコ)さんによる、メキシコサッカークリニックを日本で開催させていただきました。

意外に思われるでしょうが、メキシコよりも日本のほうがはるかに暑かったです……。僕が住むメキシコのグアダラハラも気温は上がりますが、湿度が高くないので、何もしていないのに汗をかくということはありません。日本は少し動いただけで信じられないくらいの汗の量。想像以上に大変でした。

今回もたくさんの育成年代の日本人選手を指導させていただいたり、指導者講習会などを開かせていただいたりしました。参加してくださった選手・指導者の皆様、本当にありがとうございました。

その中で最も日本人指導者が驚かれたテーマの一つが、「試合前のウオーミングアップ」でした。何に驚かれたというと、その時間です。メキシコでは、13歳以上の選手から、プロの選手までウオーミングアップの時間は20分が基本です。

その内容も細かく決められています。

4分 ジョギングしながら、自由に体を動かす
4分 ボールを使って体を動かす(テクニック&フィジカル)
4分 ストレッチ
4分 ボールポゼッション
4分 ダッシュ / コーディネーション

5セッションの計20分。この話をしたときに日本の指導者の印象は「短い」ということでした。「こんなに短いと心配になる」「試合前のウオーミングアップにトレーニングの要素を入れたい」などさまざまな意見が出ました。

しかし、メキシコではこの考え方が常識とされていて、この基準から天候や気温を加味して時間を決めます。例えば、各セッションを1分ずつ増やせば、トータルで25分になり、2分ずつ増やせば30分になります。メキシコの場合は長くても30分といわれていますから、最高でも各セッションは6分になります。

ウオーミングアップの目的は、もちろん「パフォーマンスの向上」「ケガのリスクを減らす」ことが第一ですが、そういった体へのアプローチの他に、心理的な効果もあります。試合前のウオーミングアップで気持ちをコントロールし、集中力を高めた状態で試合に入る。そういったことを考えた際に、メキシコ人のような飽きっぽい性格では、長いウオーミングアップは逆効果になりかねません。

そして、これも非常に重要なこととしてメキシコ人指導者が指摘していたのが、日本にはウオーミングアップをしてからミーティングを行い、試合に入るチームが非常に多いこと。ミーティングはウオーミングアップ前に行い、ウオーミングアップが終わったら、すぐにキックオフという状態をつくらないと、ウオーミングアップの効果が薄れてしまいます。
運動をやめると、それまで活動していた筋肉の温度はすぐに低下し、約15分で運動前と同じ状態に戻ってしまいます。つまり、試合前のウオーミングアップは、試合開始ギリギリの所まで継続するべきなのです。

今回は、メキシコでの一般的な試合前のウオーミングアップ方法を紹介しました。選手がベストな状態で試合を戦えるウオーミングアップを行うことは、指導者の重要な役割です。自分のチームの選手への最良の方法を考えて行う必要があるでしょう。

 

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