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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。
「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■ミスの種類②

2008.5.9

4つのミスの中で、特に知覚、分析、判断のミスは選手の頭の中で起こっていることです。現象として現れない(目に見えない)ので、特に見極めが難しく、注意が必要になります。

逆にいえば、実行のミスは目に見える、現象として現れるので指摘しやすい。この目に見える現象のみ、指導者が指摘してしまうのはよく起こること。

ただこのミスは、選手自身が「ミスった!」と自分でよくわかる(自覚する)ミスなんですよね。

自分が「ミスをしてしまった」と思っているときに、「ちゃんとやれ!」とさらにミスを指導者から指摘されたら、その選手はどう思うでしょうか?

きっと、「わかっているのに……」と落ち込むか、「わかってるよ。もう!」と反発心を持つかのどっちかでしょうね。

「ミスを指摘してくれてありがとう」とはならない(笑)。

実は、これは選手との信頼関係にも影響してくると思います。
監督から「怒られてばかりだ」と思うでしょうし、そうなると何をいっても思ったような効果は得られません。

なので、僕の個人的考えでは、実行のミスは指摘する必要はないと思います。なぜなら選手自身が失敗したとわかっているんですから。それよりも励ましてあげたい。
明らかに修正をしなければいけない場合ももちろんあるとは思いますが。

しかし、知覚や分析、判断のミスはちょっと違います。というのも、選手自身が「なぜミスをしたのか? そのミスの原因はなんだったのか?」ということ自体に気がついていないことが多いからです。

例えば、現象が見えていないときは、選手自身、自分がそのミスを犯したのかどうかに気づくこともありません。

そこで、ミスが起こった原因を調べる方法として、外から客観的に選手を観察することも大切ですが、もっと効果的なのは、選手に質問することだと僕は考えています。

「なぜ、そっちにパスしたの?」
「こっちの状況は見えていた?」
「目の前に敵はいた? それともいなかった? どうすることが良かったかな?」
「今の意図はパスだったの? それとも、シュート?」などなど。

質問しながら、選手の答えを聞き、さらに深く質問していく。そうすることで、選手自身もミスの原因に気がつき、次のプレーに生かすことができます。

また、選手は指導者に質問されることで自分のプレーを分析し、振り返ることになります。それが経験となり(フィードバック)、同じような状況下に置かれたときに、自分でより良い判断を下せるようになることにつながるんです。

ということは、やはり指導者にはコミュニケーション能力が求められるのは当然ですよね。あとは、質の高い質問を考えることと、選手の答えをまずよく聞き、受け入れる力も求められます。

ただ、質問ばかりで練習が止まってしまってはいけませんから、声をかけるタイミングと練習のオーガナイズも工夫が必要ですね。そう考えていくと、指導者には実に多様な能力が求められていることがわかります。

僕も、もっとうまく選手とコミュニケーションが取れるようにならなければ……。

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