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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■クラシコ、クラシコ

2008.5.12

 5月4日は、ボカvsリーベルのスーペルクラシコだった。リケルメのCKをバタグリアがヘッドで決めたゴールだけでボカが勝利。内容的にはそれほどのゲームではなかったが、さすがに世界三大クラシコとか呼ばれるだけあって、スタジアムの雰囲気は相当なものだった。スーペルクラシコの“スーペル”は“スーパー”のスペイン語。つまり、スーパークラシコ、超クラシコ、クラシコの中のクラシコということだ。

 この時期のアルゼンチンは、クラシコのオンパレードとなっている。まず、4月27日に国内リーグのサンロレンソvsボカがあり、30日にはコパ・リベルタドーレスのサンロレンソvsリーベル。そして、スーペルクラシコを挟んで5月8日が、コパのリーベルvsサンロレンソと続いた。この一連のクラシコラッシュの中で、目覚しい活躍を魅せたのはサンロレンソ。まずボカを1-0で下すと、リーベルにも2-1で連勝。しかしリーベル戦はコパの1回戦なので、翌週にアウエーで再戦しなければならない。しかも第1戦のリーベルは、目前に控えたスーペルクラシコのために、主力数名を温存していた。彼らがレギュラーに顔をそろえ、しかもアウエーでの試合となると、サンロレンソの苦戦は必至。勝ったとはいえ、2-1のスコアでは心細いものがあった。

 そして迎えた第2戦。通常、決勝トーナメント1回戦あたりでは、リーベルのスタジアムには空席が目立つ。しかしさすがにクラシコだけあって、スタンドは見事に埋まった。ここでちょっと、両チームの主だったメンバーを紹介しよう。リーベルの監督は元代表のシメオネ。GKは代表候補のカリーソ。DF陣は地味だが、攻撃的MFとFWは豪華メンバー。元代表のロサーレス、期待の新星ブオナノッテ、コロンビア代表ファルカオ、ウルグアイ代表アブレウ、チリ代表サンチェス、さらに、この日は出番がなかったが、元代表の10番オルテガもいまだ健在。対するサンロレンソは、初代Jリーグ得点王のラモン・ディアスが指揮を執っている。彼は選手としても監督としてもリーベルで実績を挙げており、今回は古巣相手の戦いとなった。選手で名前が通っているのは、ともに元代表のプラセンテとダレッサンドロだけだが、元得点王のシルベーラとか、実力者がそろっている。

 さて、試合はというと、これがすごいことになった。まず、リーベルがFKで先制。これで2試合の合計スコアは2-2だが、アウエーゴールは2倍になるシステムなので、この段階でリーベルが3-2と勝ち越した。そして、42分にサンロレンソは退場者を出してしまう。圧倒的有利になったリーベルは、59分にファルカオが顔面にヒジ打ちを受けてPKを得る。しかも、この反則でサンロレンソはまた一人退場。そして、アブレウがPKを決めて2-0とし、勝利を確実なものとした。しかししかし、0-2のうえ9人対11人という絶望的状況にもかかわらず、サンロレンソは勝負を捨てない。そして、奇跡が起きた。69分と73分にベルヘッシオが連続ゴールを叩き込む。そして反撃も封じ、2-2で引き分けてベスト8へ勝ち上がった。

 実はホルヘ、ある雑誌でリーベルを優勝の本命に押していた。この戦力なら、いけると思ったんだが……。心情的にも、久々に優勝してもらいたかったし、160センチのブオナノッテを日本のファンに見せたかった。しかし、夢は絶たれた。相変わらずの、ヘル・ホルヘである。


リーベルvsボカ(スーペルクラシコ)
リーベルvsボカ(スーペルクラシコ)

リーベルvsサンロレンソ
リーベルvsサンロレンソ
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