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鈴木 達朗
ドイツ

ドイツ通信
~Probieren wir mal!~
(とりあえず、一緒にやってみよう!)

鈴木 達朗
宮城県出身。中学生からサッカーを始め、大学1年まで競技を続ける。サッカークラブも無い町で、一人でストライカーなどの雑誌を読んでは友人に薦め、「サッカーマニア」と呼ばれる少年時代を過ごす。中学では、クラブチームに所属。小学校で全国大会に出た選手たちを目の当たりにして、早々に挫折。頭を切り替えて、選手時代からコーチの目線で過ごす。学者になるつもりで渡った先のベルリンで、たまたま試合に誘われたクラブから、コーチになることを頼まれて、指導者になる。二足のわらじで大学も卒業し、現在に至る。タイトルは練習中に発する自分の口癖から取ったもの。
Webサイト:http://www.tatsurosuzuki.com/

ドイツ

■ハレン・フースバル(室内サッカー)

2013.12.28

皆さん、こんにちは。前回は、皆さんの年代のトップレベルの話をしましたね。

なので、今回は、ドイツサッカーの一般的な話をします。ハレン・フースバル(Hallenfußball)というと、ドイツ語らしくて格好いい響きですが、単純に室内サッカーです。今回は、ドイツサッカーの冬の風物詩、室内サッカーについて話をしましょう。

ドイツの冬は基本的に日が短く、16時には真っ暗になります。今年はまだそれほどではありませんが、早いと11月末には雪が降り始め、氷点下になります。昨年から今年にかけては例年にないほど冬が長く、4月半ばまで雪が残っているような状況でした。そういうわけで、基本的に練習も試合も室内になります。

さて、ハレン・フースバルとはどんなものでしょうか?下の写真を見てください。

img_01
写真はトゥアビーネ・ポツダム主催の室内サッカートーナメントの様子。(筆者撮影)

この写真は、今年の2月に行われた、ドイツの女子サッカーチーム、トゥアビーネ・ポツダム主催の室内サッカートーナメントです。この大会では、日本人選手の大儀見優季選手が狭いコートの中で、抜群のうまさを見せていました。ボールテクニックもそうですが、マークの外し方、ディフェンダーの間の狭いスペースでのボールの受け方など、若い選手に見て欲しいプレーをたくさん見せてくれました。基本的に、女子サッカーに関しては、安藤梢選手も見たことがありますが、フォワードのオフザボールの動きは、ドイツ人に比べて、日本人選手のほうが圧倒的にうまい印象があります。

コートに目を移すと、何が見えますか? 選手は何人ですか? 同じ室内で行われるフットサルと比べて、何が違いますか? まずは壁がありますね。次にゴールが大きく、ボールは普通に弾むサッカーボールです。この室内サッカーはフットサルとは違って、FIFAの公式競技ではありません。しかも、ヨーロッパよりはカナダやアメリカで盛んなようです。ドイツでは、フットサルはさほど知られておらず、スペイン語やポルトガルと違って、「室内サッカー」というと、この競技のことを指します。

写真では、人工芝が引いてありますが、ふだんは普通の体育館でプレーします。体育館の硬い床でフットサルボールではなく、普通のサッカーボールでプレーするので、ボールは弾みます。特に、僕のいるベルリンは首都なのにお金がないので、たいていの体育館は日本の体育館のように滑り止めの加工がかかっていません。つるつる滑ります。そういう環境で、冬の時期は老若男女を問わずサッカーをします。僕も何度かプレーしましたが、慣れないこともあって、難しかったです。

では、コーチの目線で、この競技の特徴を挙げながら、なぜ、難しかったのかを分析して、今回は終わりにしましょう。

ボールが弾み、なおかつ壁がある、ということは、集中力を保ち続けないと、攻守の切り替えに追いつけなくなる。これがいちばん難しかったです。フットサルやサッカーのように、ボールがコートの外に出れば、頭の中を一度リセットできますが、壁があるかぎり、延々と試合は止まりません。しかも、ヘタをすると、強烈なシュートが壁に当たった跳ね返りがそのままカウンターになってしまうこともあります。ただ、交代は何回でもできますし、フットサルと違って、バックパスに制限がないので、体力的には回復する時間を作れます。しかし、プレーオンの状態が長く、攻守の切り替えが速いので、頭の中、意識、集中力の持久力がついてきません。ボクシングのサンドバックを無呼吸で打つトレーニングがありますが、その負荷を頭にかけている感じです。

小学生の皆さん、特に10歳ぐらいまでは、教える、というよりは、楽しくプレーしながら、体で覚えて欲しいので、いろんな環境の中でプレーして欲しいな、と思います。体育館で壁なし、壁あり、弾むボール、弾まないボール、大きな5号のボールやテニスボール、はだし、靴下、シューズ、大きなボール2つ、大きなボール1つと小さなボール1つの2つのボール、というように、組み合わせの工夫次第で、何十種類のゲームができます。これだけで、サッカーをしながらサッカーのための神経系を鍛えるトレーニングになると思います。場所の制限もあって難しいかもしれませんが、もし、体育館が使えるときは試してみてください。

それでは、たまにはドイツ通信らしく、ドイツ語で終わりましょう。グーテン・ルッチュ(Guten Rutsch)、よいお年を!

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