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杉﨑 達哉
ドイツ

ドイツ通信
~Fussball ist sehr einfach, aber das Schwierigste, was es gibt, ist einfacher Fussball.~
(サッカーは簡単だ。しかし最も難しいのは簡単にプレーすることだ)

杉﨑 達哉
神奈川県出身。大学卒業後、2006年にドイツのケルン体育大学入学。同時に指導者としての勉強を始めこれまでU-11からU-23すべてのカテゴリーで指導経験を持つ。また2016/2017シーズンにはU-15レギオナルリーガ(ブンデスリーガ相当)で日本人初の監督としてチームを率いる。また同シーズンにフットサル全国大会でクラブ史上初優勝に導く。2016年にドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA A)取得。

ドイツ

秀でた特徴を持つ選手が大切

2018.11.26

今回は先日行われたU-16トレセンから見る、ドイツにおける選手育成で大事にしていることについて紹介したいと思います。

今月1日、私が働いているサッカー個人レッスン会社「proffac」で教えている選手が、U-16のトレセンのメンバーに選ばれたので試合を見に行きました。

本題に入る前に、まずはドイツにおけるトレセンの仕組みについて説明します。住んでいる場所によっても若干の違いはありますが、私が住むノルドライン・ヴェストファーレン州はまず3つの協会(ミッテルライン協会・ヴェストファーレン協会・ニーダーライン協会)に分かれています。そして各協会はさらに小さな地区単位に分かれており、私が教えている選手が所属するミッテルライン協会は9つの地区トレセンに分かれています。

つまり、ドイツ代表になるためにはまず地区トレセンに選ばれ、そこからミッテルライン選抜、ノルドライン・ヴェストファーレン州選抜、そしてドイツ代表という4段階の手順を踏むことになります。

今回教え子が参加したのはU-16ミッテルライン選抜のセレクションで、以下のようにして行われました。日程の都合上、ミッテルラインにある9つの地区トレセンを東地区、西地区、中央地区の3つに分け、その3チームにU-16ニーダーライン選抜チームとU-16レバークーゼンを加えた全5チームが30分1本の総当たり戦で試合をしました。

平日ということもあり、全選手はそれぞれの学校から特別許可をもらい今回の試合に参加しました。そうした中で行われたセレクションは、とてもレベルの高いものとなりました。

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(U-16ミッテルライン選抜セレクションの試合の様子)

今回の印象としては、一芸に秀でた選手が多かったです。足がとても速い子や、センターバックでU-16にして190センチあろうかという身長がある選手、強烈なキックを蹴れる選手など、個性あふれた選手が多かったです。基本的な技術であるボールを止める・蹴る・運ぶという技術は向上の余地がありますが、それぞれの個性を活かしたプレーをしていました。ドイツの指導者は技術を大事にすると同時に、それぞれの選手の持つ特徴を大切にしており、現在私自身もスキルはもちろんのこと、選手の特徴を見極め、伸ばす指導を行っています。

またブンデスリーガのクラブが選手を発掘する際にも、何か一つタレントを持つ人材がスカウトされる傾向にあるようです。実際、ブンデスリーガのクラブでアンダー世代のスカウトを務める知人も、全体的にまとまっている選手よりも、何か秀でた特徴のあるプレーヤーのほうが興味深いと言っています。彼曰く、技術や戦術はクラブで教えられても、選手個々の持っている個性は指導できるものではないとの理由だからだそうです。

実際に昨季私が指導していたチームの選手で、ブンデスリーガのU-16に引き抜かれ移籍した選手がいました。彼は止める・蹴るといった基本技術は、正直レベルの低い選手でした。しかしチーム一の俊足とセンタリングの精度が高いという特技を持っており、シーズン終了後に2年契約で移籍したのを目の当たりにし、改めて知人の言葉を思い返しました。

そんなことを考えながら今回のトレセンの試合を見ていましたが、周りには多くのスカウトやクラブチームの指導者が来季に向け選手の動きをチェックしており、大会後には何人かはトライアル参加の招待を受けていました。この日見た選手の中からひょっとしたら2022年のカタールワールドカップ大会にドイツ代表で参加する選手がいるかもしれません。

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