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松本 量平
ポルトガル

ポルトガル通信
~Vai evoluir um individual(個人を育てる)~

松本 量平
1983年4月4日生まれ。近大附属高校・関西学院大学卒業。
大阪のスポーツネットサッカークラブでキッズ・ジュニアの指導にあたり、ASラランジャ京都(関西リーグ1部)のTOPチームのコーチを経て、2009年8月にポルトガルに渡る。
ベンフィカU-17・ベンフィカスクールでコーチ経験を積み、現在はポルトガル1部リーグに所属するリオ・アベのTOPチームで研修中。日本サッカー協会公認B級コーチ。

アイルランド

■勝者の論理

2012.2.14


昨年末、ベンフィカスクール独自の、指導者ライセンスの講習会がありました。
この講習会はポルトガルをはじめ、アメリカやブラジルなどの国にあるベンフィカスクールの指導者が一同に会し、ベンフィカ独自のトレーニングメソッドを学ぶというもので、レベル1の講習会を実施し、合格者には次回のレベル2の講習会に参加できるというものです(今回から始まった試みで、今後どうなるかはわかりません)
これにより、各スクールでのメソッドの統一化と、指導者の能力評価の指標になることが望まれているようです。

img01

その内容については、今後また機会があれば触れようと思いますが、今回はそこで行われた1つのトレーニングについてです。

下のトレーニングは「鏡ドリブル」といわれるもので、お互いのゴール横から選手がドリブルで向かい合わせにドリブルをし、中央のコーンあたりでコーチの指示するフェイントで相手をかわし、正面のゴールへシュートするというものです。

img02

このトレーニング自体は、日本でもよく見たことがあるシンプルなものです。
ただ大きな違いとして感じるのはドリブルからフェイント、シュートまでを“トップスピード“でやらせるということ。
もちろん日本でトップスピードでやってないというわけではないのですが、このトレーニング20分間、最初から最後までMAX、全速力でやらせます。たとえ難しい指定のフェイントであってもトップスピードです。

例えばフェイントがヒールリフト(ベンフィカはこれも技術としてよく取り入れます)のとき、さすがにトップスピードでは難しく、ほとんどの人が成功しません。私の見る限り、やり方がわかっていない人、おそらくゆっくりならできる人、タイミングが悪い人など、いろいろな失敗の原因があるなと思いながら見ていたのですが、決してその練習のスピードを緩めることはしません。

img03

その練習について「もう少しスピードを落としてやるべきでは?」と質問すると「試合ではどっちのスピードだと思う?」という返答。

確かに目的はヒールリフトができるようになることではなく、ヒールリフトを試合で使えること。

これら目的の部分をハッキリと示す指導については、いつもハッと気づかされますし、下の子に合わせるような指導ではなく、ゴールを目指させる、彼らの言葉を借りれば「勝者の論理」で指導することが重要なようです。コーチ陣から選手たちのほうに合わせていってしまうのも、考えものなんだということを感じました。

ただその一方で、この技術を体得するまでに、今何が足りなくて、何をするべきかというように段階的に考え、それを認識しながら指導ができる日本人的な細かい指導も、捨てたものではないよなとも感じています。

img04

ただ最終目標(試合で使えること)を決して忘れないようにしないといけません。

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