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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■ブラジル1部TOPチームってどんな分析方法をしているの!? 試合分析とスカウト

2018.03.13

Borá Bahêa minha porra !!!
(さぁ行くぞバイーアよっしゃぁ!!!)

これは僕もお世話になっているブラジル1部、ECバイーアでよく使われるフレーズです。「ボラ バヘーア ミニャ ポーハ」と発音します。

クラブもサポーターもよく使いますし、試合中やイベントで毎回と言っていいほど耳にします。

今回はそんなECバイーアのTOPチームの分析部門について紹介したいと思います。

僕の所属するECバイーア育成部の分析部門については、前回記事までに紹介していますので、そちらを参考下さいませ。

先に断っておくと、私はECバイーアの下部組織にお世話になっているので、どうしてもTOPチームの分析部門の情報は断片的なものとなってしまいます。

練習場は隣なのでよく練習自体は見学したり、ときにはアシスタントとして参加させていただくのですが、どうしても分析部門は部屋でパソコンを使う仕事も多く、そこは邪魔にならない程度にしか参加できない事情があります。

そしてTOPチームは勝敗が非常に大事であり、情報戦であるため、あまり情報を外に出さないという事情もあります。

そこはご了承下さい。

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さて、TOPチームの分析部門の仕事は大きく分けると2つになります。

(1)ゲーム分析
(2)市場調査

(1)ゲーム分析では、まず相手の強みと弱点を洗い出します。相手の誰がどんな特徴を持っているのか? どこに注意しないと負けてしまうか? どこを攻めれば勝てるか?

こういったことをコーチ陣や選手たちに伝えます。

また、試合数の多いブラジルでは1週間に2試合戦うこともあるので、時間はあまりない中ですが、それでも次の対戦相手の試合を5試合程度は見ます。

1つの試合でも5つの場面別に分けて映像を編集・分析します。
その5つの場面とは攻撃、守備、攻→守への切り替え、守→攻への切り替え、セットプレーです。厳密にはセットプレーも攻守に分けて編集しているので6つですね。

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試合中にもスタジアムの上部から試合データをとっています。パス成功数や、「誰が、何分に、何をしたか?」などのタイムラインも、パソコンやタブレットを使用して計測しています。

それらのデータと、上から見て気づいたことも含め、ハーフタイムにはロッカールームまで降りてチームに伝えます。

そしてそんな試合のデータは、試合後すぐに分析室に戻って次の練習までにより詳細に分析します。

このデータも参考にしながら監督はチームの改善点などを見つけ、練習メニューを決定します。

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そして(2)の市場調査。

ECバイーアでは良い選手を見つけたり、獲得を検討している選手のデータを手に入れるのにも分析部門が関わっています。

例えば「どこのポジションのどんなタイプの選手を探して欲しい」であったり、もっとピンポイントに「〇〇選手のデータが欲しい」と要望されればそれに応えます。

もちろん分析スタッフのほかにもスカウトはいますし、代理人もいますので彼らと連携しながら監督や強化部が獲得選手を検討します。

(1)ゲーム分析、(2)市場調査にしても、当然ですが監督が変わればやり方は変わりますので、その時々で分析の仕事も変わります。どんなデータが欲しいかは監督によっても違うからです。

相手の弱点や自分たちの改善点を気にする監督もいれば、相手の思考パターンや交代パターンを読もうとする監督もいます。

具体的には相手のCBが足が遅いのでそこを突こうという個人の弱点、スライドが遅いのでサイドチェンジを多用しようというチーム戦術、試合終盤にパワープレーをしてくるので事前にこんな選手をベンチに入れておこうというような思考パターン対策ですね。

これらは情報戦になるので、やはりあまり表には出さなかったり、隠そうとしたり相手の予想の裏をかこうというような駆け引きもします。

テクノロジーがまだ今ほどではなかった昔は、こういうのはアシスタントコーチの仕事だったみたいですが、さすがに現代では機器の進化により取り扱えるデータも増え、それに伴って分析スタッフを専任化、そして増加していく流れになっています。

ECバイーアでは専任の分析スタッフはTOPチームで3人、育成で2人(+たまに僕がアシスタントに入る)で回していますが、BIGクラブのコリンチャンスなどになると10人を超えるスタッフがいます。

もちろん自チームの分析スタッフだけでなく、外部にもデータを提供している会社はあるので、それらも利用しながら情報戦を闘っています。

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