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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■ブラジル流サッカー"ソサイチ"とは?

2014.9.26

前回のコラムでは「アルタナティバ フッチボウ」について書かせていただきました。
今回はその中でも少し触れた、ブラジル流"ソサイチ"について、より詳しく紹介していこうと思います。

まず、ソサイチについて、日本ではどのくらいの認知度、さらにはプレー経験があるでしょうか?

集まった人数や場所の関係で、ソサイチっぽくなることはあると思いますが、「ソサイチやろうぜ!」と誘って、最初からソサイチ目的というのはあまり聞いたことがありません。

しかし、このソサイチがまた面白い。
何より日本サッカーの課題を埋め、強くなるために素晴らしいトレーニングとなります。

○ソサイチの基本的なルール
・試合時間・・・・25分×2本
・人数・・・・・7vs7(内GK1人)
・グランドサイズ・・・縦50~55メートル×横30~35メートル(サッカーの約4分の1)
・ソサイチ専用ボールを使用
・ジュニアサイズゴール(5×2メートル)を使用
・ペナルティーエリアは、ポストから横に5~8メートル ・ゴールライン中央から縦に8~10メートルm

○基本的にサッカーのルールと同じではありますが、違う点として以下があります。
・オフサイドがない
・交代自由 (一度外に出た選手も再度出場が可能)
・ベンチサイドは自陣側。ハーフタイムにコートチェンジとともに、ベンチも自陣側に移動する。
・ゴールキックではなく、ゴールキーパーからのゴールスローで再開する (フットサルと同じ)
・フリーキックの際、壁は7メートル離れる。
・PKマークは8~10メートル。基本的にはペナルティーライン上。
・コーナーキックではなくコーナースローイン

○ソサイチボールの特徴
大きさはサッカーの5号ボールに近いですが、重さや質はフットサルに近い。少し重くてあまり弾まないローバウンドです。

では本題の、なぜこのソサイチが日本サッカーにとってよいのか? といいますと、「ゴール前の場面が多い」「ボールの質」「サッカーとフットサル両方のよさが出る」からなのです。

①ゴール前の場面が多い
これは前回のコラムでも言及したことなのですが、ブラジルワールドカップで(本当はずっと昔から)日本はゴール前の質について課題を残しました。それは日本代表の試合を見たコリンチャンス指導者陣も指摘しています。

フットサルやソサイチでは、コートが小さくてゴール前の場面が多いため、嫌でもゴール前のトレーニングになります。

また、体格的に"強いシュートが打てない"日本人であるならば、フットサルやソサイチでよく見られる"タイミングを外したシュート"を会得すべきだと思います。

サッカーに比べてゴールが小さくて、DFも近くにいるため、いくら強いシュートが打てても、モーションを読まれると簡単に止められてしまいます。

そこでつま先のトゥーキックや奇抜なアイデア、高速のパス回しを駆使してどうにかゴールまでの道、シュートコースを作ります。ブラジルワールドカップの日本代表は、遠くからのシュートやクロスばかりで、あまりよい状態でシュートを打てなかったことが敗因の一つと考えます。

②ボールの質
ソサイチボールは、大きさはサッカーの5号級に近いわりに、少し重くて弾みにくいです。

アルゼンチンの指導者仲間に聞いた話だと、
「アルゼンチンの育成年代で広く行われているバービーフットボールでは、ソサイチよりさらに重くて弾まないボールを使用している。子どもの力では遠くからシュートできないので、ゴール前まで運ぶ必要があるため、ドリブルが磨かれる」
とのことでした。

アルゼンチンからマラドーナ、メッシ、ディ・マリアとドリブルの名手が次々に生まれるのは、このボールのおかげではないかと、お互い納得して議論しました。

ただ、日本の指導者にバービーのボールを見せても、固定概念から「重くて硬くてポンコツボール」と勘違いが起きないかは、危惧するところではあります。

バービーほどではないにしろ、まだこういった特徴のボールに慣れていない日本にはソサイチボールくらいから入ってもよいのでないかと考えました。

③サッカーとフットサルの両方のよさが出る
先程①でも書いたように、ソサイチでもフットサルと同じ特徴としてゴール前の多さがあり、タイミングを外したシュートなどのよいトレーニングになります。

ただ、フットサルの場合だと、どうしてもロングボールやハイボールの競り合いといった要素は減り、そこは懸念しなければならない材料かも知れません。

しかしソサイチの場合では、そちらも問題ありません。

ちょうどロングボールも蹴れて、スローインやキーパーからのボールを競り合うこともあります。

サッカーの練習の中に、時折ソサイチを混ぜてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、ブラジルではソサイチのプロリーグもあります。

選手のベンチと観客席が一体となっていて、時間を見つけて選手からサインをもらうサポーターもいました。選手たちもブラジル人らしくとても気さくです。

ブラジル、リオオリンピック2016では、このソサイチリーグも是非ご覧になってはいかがでしょうか? きっと他の人が体験できないよい思い出になりますよ。

ブラジル、ソサイチリーグの様子

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