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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、フットサルチームなどでもプレーした後、帰国。現在はフレスカ神戸チームスタッフとして活躍中。

イタリア

■監督とクラブの関係

2010.2.14

Ciao ragazzi!
さて、ついにユベントスのフェッラーラ監督が解雇になりましたね。友達のユベンティーノ(ユベントスサポーターの愛称)たちは、口々に『やっとかよ!』とフロントの対応の悪さに突っ込んでいます。
ユベンティーノの僕としても、早い段階での監督交代をしてほしかったです。

さて、地域リーグなどのセミプロでも監督の問題がいろいろと起こってくるのがイタリア。
僕の知る限りでは、地域リーグで1年に3度も監督を代えたチームもありました。プロでは、ありえる話ですが、セミプロレベルになると結構まれなのです。なぜかというと、地域リーグレベルとはいえ、セミプロ扱いなので、選手はもとより、監督にもクラブからしっかりと給料が支払われていますし、大抵の場合は1年間の契約になります。

つまり、1年間の契約をはじめにクラブ側が監督に対して行っているわけですから、途中での監督交代となると、クラブ側の人選ミスということになり、契約を全うしなければいけないので、他の監督を雇うとしても、前監督+新しい監督の両方に給料が支払わなければなりません。

こうして、1年に3度も監督交代を行ったそのクラブからすると、単純に考えて3人分の給料を年間通して支払わなければいけなくなるので、それをましてや地域リーグレベルのクラブができるのかというと、疑問が残ります。こういう意味でも、クラブは年の初めに監督選びを慎重に行うわけです。

ちなみに、僕の友人にもセミプロの監督をしている人が何人かいるのですが、彼らの中にはずる賢いというか、抜け目がない監督もいます。

年初めの契約のオファーにはわざと返事をせずに、前期が終わったクリスマス休暇ころに来るオファーを待っているというタイプです。
なぜ、これがずる賢いかというと、シーズン初めにオファーをもらって1年間チームを指揮するのと、クリスマス休暇に残り4月までの4カ月間を指揮するのとでは、実はそんなに給料が変わらないからなのです。

各クラブはクリスマスころになると、残留争いなどの残り4カ月の様子がある程度予想できるので、そうなると必死になるのです。どうしても残りの4カ月で結果が欲しいということでの監督交代ともなれば、それなりに新しい監督に対してはお金を出すというわけです。

ということで、この僕の友人は毎年そのようにして、前半戦はフリーになり、いろんなクラブの試合を観戦して選手の特徴をつかみ、後半戦にはどこかのクラブへ呼ばれて、そのクラブの要求に難なく応えているのです。そして、4カ月しか働かずに、1年分に相当する給料を稼ぎ出す。

さて、どうでしたか?
セミプロの世界といえど、監督とクラブにはこういった給料面での関係などもあるわけです。もちろん、日本のクラブでも同じようなことが行われているのでしょうが、僕の友人のような監督はいないでしょう。本当にイタリア人は、抜け目がないですね。

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