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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、フットサルチームなどでもプレーした後、帰国。現在はフレスカ神戸チームスタッフとして活躍中。

イタリア

■+ccioでやっかいになる?

2009.11.6

Ciao ragazzi!(チャオ、ラガッツィ!)

ということで、これはよくイタリアで交わされるあいさつの一つです。今までの「Ciao tutti」とは少し違い、監督がロッカールームへ来る際に使うあいさつで、『やー、みんな!』という意味合い。直訳すると、『やー、少年少女たち!』と少し硬い表現になります。これでは、陽気なイタリア人のイメージが台無しです(苦笑)。しかし、友達同士でも同じように使われるので、僕は皆さんに向けてこれからこのあいさつにしようと思います。

ということで、改めて『Ciao ragazzi!』

さて、今週もカルチョについてつづっていこうと思いますが、今週はCatenaccio(カテナッチオ)について少し書こうと思います。さて、まずはこの言葉の語源はというと、Catena(カテーナ)からきています。カテーナというのは、日本語にするとチェーン、鎖などの意味を持ち、単純に考えてイタリアの伝統的DFを例えて使われるCatenaccioとは、鎖のように破ることのできないディフェンスラインのことを指しています。しかし、それではなぜ、CatenaではなくてCatenaccioと呼ばれているのか? ここには、イタリア語ならではの面白い秘密が隠されているのです。今日はそこを皆さんに教えちゃいます。

このCatenaccio以外にも、単語の語尾を-ccioというように変換したものがあります。それは、

ragazzo(少年)  -  ragazzaccio (手に負えない少年)

この単語のように、イタリア語では単語の語尾を-ccioと変えるだけで、手に負えないとか、やっかいなという意味合いになったりするのです。さて、皆さんもお気づきですよね?

そうなのです、Catenaccioとは、単純に堅い守りの鎖という意味だけではなくて、手に負えないくらいやっかいな鎖という訳が正しくなるのです。つまり、強靭(きょうじん)なイタリア人の守備は、相手チームにとっては脅威で、崩しがたい守備であることが、単語からも分かるのです。

ということで、イタリア語の単語にはものによっては、単語の最後に-ccioとつけるだけで、やっかいなものになってしまうというわけです。相手チームにとってはやっかいなカテナッチオですが、言葉としても同じ意味があったのですね。

ところで、僕がイタリア人の子供を教えていたときに数人ですが、ragazzaccioがいて、もう本当に大変でした。ただでさえイタリア人の子供は陽気。なので、そんな子供たちを、指導者は口をそろえて【宇宙人】と呼んでいます(苦笑)。

しかし、指導者たちはこうもいいます。「そんなragazzaccioが相手チームにとってのragazzaccioになるように指導できればいいんだ」と。みんなも相手チームが、手に負えないくらい素晴らしい選手を目指してこれからも頑張りましょう。

それではまた来週。チャオ、ラガッツィ!

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