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2009年9月8日
ミランJr.キャンプにて~後編~



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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、フットサルチームなどでもプレーした後、帰国。現在はフレスカ神戸チームスタッフとして活躍中。

イタリア

■ミランJr.キャンプにて~後編~

2009.9.8

Ciao tutti.
さて、前回に引き続きミランキャンプのお話です。
シンプルかつ素早く、最後のフィニッシュにはファンタジーを持たせてゴールを決めるという、そんなサッカーができれば、みなさんのチームの得点シーンも増えるのではないでしょうか?

さて、今回はそんなことを可能にしてしまう、ACミランでも採用されているトレーニング内容を明らかにしてしまいます。
このキャンプでも、子供たちが楽しみながらやっていたトレーニングのほとんどはスピードを大事にしたものが多く、競争させたり、または周りの動きを見ながらでないとできないように工夫されていました。多くの練習メニューで、どこにスペースがあるかを素早く見つけ出す練習が含まれていたように感じます。そして、そこに時間を設定してあげるだけで、子供たちもスピードアップするし、状況判断のスピードもおのずと向上していました。

例えば、10人のグループに対してフットサルコート程度のグリッドを作り、その中にマーカーを適当に9つ置いて自由にドリブルさせる。コーチの笛の合図とともに、マーカーめがけてドリブルをして、マーカーでしっかりとボールコントロールをしてストップする。10人に対して9つしかマーカーがないので、一人だけ判断の遅い子は余ってしまうというゲームです。1つずつマーカーを減らしていっても面白いでしょう。
この練習でも、ボールコントロールはもちろんのこと、視野の確保とスペースを見つけ出す、さらには生み出すトレーニングにもなっていますし、スピードアップの重要性が含まれてきます。

さらに、ゴール前でのファンタジーを増やすためには、このようなシュート練習を行いました。

ジグザグドリブルができるように適当にマーカーを並べて、いろんな種類のドリブルを、最初は制限あり、途中から制限なしで自由にやらせる。そして、ジグザグドリブルのあとに、ポールを3本ほど立てて、選手の好きなところを抜かせるようにする、それを抜いたタッチでそのままダイレクトシュートを打つというもの。
ゴールの両隅に小さいマーカーを色違いで置いて、最後のポールを抜いた後に指導者が色をいってあげて、選手はシュートをそこへ打つというものなのですが、この練習では、個人のドリブル技術はもちろん、最後のDFを抜いた後に素早くシュートを打たなければいけない、なおかつ打つ寸前までどちらへシュートするかがわからない状況なので、選手は緊張感を持っているのです。そんな中で、色をいわれてシュートを打つので、まさに試合さながらに“頭”を使わなければなりません。

ゴール前でいかに集中していないといけないか、またポールを3本置くことにより、各自が試合中をイメージしてどこにボールを運べばいちばんシュートが打ちやすいかなどの、シュートに至るまでの過程までもイメージしやすくなるのです。

イタリア人にファンタジーあふれる選手が多いのは、こういうところから生まれてきているのかも知れませんね。今回のミランJr.キャンプでは、このように選手自身が考えなければいけない練習が多くて、最初は子供たちも戸惑っていましたが、2日間の練習を終えて見違えるように成長した子もいたし、ミランのコーチ陣も1年間日本の子供たちを通して見てみたいと興味津々でした。それだけ、日本の少年たちには可能性があるということだし、みんなもいろいろと練習中から、試合をイメージしてみてはいかがでしょうか?

どうです? ミラン式トレーニングのほんの一部ですけれど、ここに紹介しました。みなさんのチームでもこのような目的を持たせた練習メニューを取り入れてみても面白いかもしれませんね。それではまた来週。

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