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井上 信 1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、フットサルチームなどでもプレーした後、帰国。現在はフレスカ神戸チームスタッフとして活躍中。
Ciao tutti. さて、今日は以前にも少し紹介したカッサーノの生まれ故郷Bariについて書きたいと思います。 バカンスを利用して南イタリアを周遊していたのですが、そのときに、あのイタリアでいちばん危険な香りのする町を観光してきたのです。
Bariの町は歴史的背景の色濃く残る旧市街と駅周辺の新市街に分かれており、危険なのは入り組んだ道になっている旧市街です。僕はイタリアへ来てすでに4年目となりますが、幸運なことにいまだにスリに会っていないのです。(ウソと思うかもしれませんが、イタリアに来る交換留学生のうち、たいていの人がスリなどの被害に遭うのです。)というより、常に気をつけています。 サッカーと同じで危険なにおいをかぎ分けることが重要になってくるのですが、これがまた、かぎ分けることのできない人たちにいわせれば、至難の業らしく、スリ被害を未然に防ぐのも簡単ではないのです。
そんな中、僕はイタリア在住4年の経験とスリに気を使いながら行動しているぞ! というオーラを放ちつつ、旧市街の入り組んだ迷路のような道に迷い込んで、本当にバレーゼ(Bariの人々の呼称)に触れようとしました。 しかし、さすがにイタリア一の危険な町だけあって、旧市街に一歩踏み入れるなり、少し違った空気に包まれていました。家の玄関先に何気なく座っているおばあちゃんでさえ、怪しくみえてしまい、少しこちらも緊張するような空気が流れていて、常に周囲に気を配りながらの観光となりました。
そんな危険な香りプンプンな旧市街地にも、貧困な彼らならではのアイデアを凝らした装飾があり、少し和んだ様子も所々に見られました。今季セリエA昇格を決めたBariならではのことなのですが、町全体を挙げてお祝いしているのはもちろんのこと、旧市街へ入れば、写真のような町の人ならではの知恵と、精いっぱいのクラブへの感謝の気持ちが表現されています。町クラブであることをとても実感すると共に、イタリアのクラブと町の人の関わり方が、どれだけ密なものかがうかがえる町並みではないだろうかと思いました。
イタリアではやはり長い歴史上で、セリエAのリーグ戦に参戦できるということはその町の誇りになり得ることであり、それが文化なのですが、日本ではどうでしょう? 果たして日本の町の人たちが自分の町がJ1に昇格したからといって、みんなで祝うことができるでしょうか? このようなこともやはり歴史や文化の違いがあるのでしょうが、これからどんどん盛り上げていってほしいところですね。Jクラブの各町の人々が、セリエAすなわちJ1昇格に向けて一丸となれば、面白いリーグになること間違いなしですね。
それでは、イタリア一危険な町Bariからでした。また来週。チャオ!!!