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トップコラムワールドサッカー通信局>イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~ ファンタジスタはBarから生まれている?

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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、フットサルチームなどでもプレーした後、帰国。現在はフレスカ神戸チームスタッフとして活躍中。

イタリア

■ファンタジスタはBarから生まれている?

2009.4.27

Ciao tutti.
ここイタリア・ペルージャも最近になってようやく春を感じさせる暖かい天候となってきました。広場に集まってくる気の早いイタリア人の中には、陽のいちばん当たっている昼間、半袖姿の人もいるくらいです。

さて、何となく使ったこの『広場』という言葉、イタリア語にするとPiazzaピアッツァでミラノ、フィレンツェ、ローマなどの大都市はもちろん、ペルージャやそれ以外の小都市、さらには各村にも必ずといっていいほどあるのです。
この広場が実はイタリア人には重要な役割を果たしているのです。

各町の広場には、必ずといっていいほどBarが出店しており、そこで近所のおじいさんおばあさんが朝食をとったり、その日の新聞に目を通したり、お昼には軽食を取りに来る会社員、夕方にはお菓子を求めて子供たちが、夕食前には大人たちが食事の前の一杯を求め、そしてまた夕食後の食後酒をひっかけにと、地域の人々が集まる場所になっているのです。

日本でBarと聞くと、お酒を飲むところであり、または喫茶店というイメージが強いかと思いますが、イタリアでは上記したようにイタリア人の生活になくてはならないものが取りそろえてある、いうなれば町のよりどころであり、何でも屋さんなのです。
そして、このBarで働く人のことをイタリアではバールマン、又はバリスタと呼んでいます。

イタリア人たちは、Barに行っては、さまざまな注文をします。コーヒー一つをとっても10種類以上あるのです。日本だとコーヒーといえば、エスプレッソかレギュラーコーヒー、カップチーノの3種類が主流でしょうが、それ以外の多くの種類のコーヒーが、ここイタリアでは親しまれています。
ということは、もちろん、お客さんたちの注文もさまざま。普通にカップチーノを頼む人もいれば、泡が嫌いだから泡なしでお願いと頼む客や、ミルクは常温がいいという人などなど、カップチーノ一つにしても本当にさまざまな注文が聞こえてきます。メニューにはないようなわがままな(ファンタジーあふれる)注文がこれでもかというくらい聞こえてくるのです。

お客さんもBarへ入ってから、メニューなどを見て決める人はほとんどいなくて(もしも、見かけたらその多くが外国人観光客でしょう)、その人のユーモアたっぷりな注文が行われるのです。それに文句一ついわず応えるバリスタも一流ですが、とにかくこのBarで見られるイタリア人のファンタジーには驚かされることもあります。

僕の友人の一人は、新しいBarへ入るときに少し無茶な注文をして、そのバリスタの腕を見るのだそうです。まったくこれだからイタリア人たちは面白いですね。Bar社会から生まれるファンタジー、もしかするとロベルト・バッジョやデル・ピエロ、ピルロたちもこんなBar社会から生まれたファンタジスタかもしれませんね。マニュアル通りをなぜか嫌うイタリア人とメニュー通りに従う日本人。何か、カルチョの世界にも関係しているとは思えませんか?

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