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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。

イタリア

■チラリと見せてやれ!!!

2008.5.5

Ciao tutti!!!

ついに、07-08シーズンのリーグが終了しました。
僕たち「ANGELANA」は最終節を3-2で勝利しましたが、優勝はならず3位に終わりました。この結果、昇格をかけて、5月に行われる入れ替え戦に進むことになりました。この入れ替え戦には4チームが参加し、昇格できるのはわずか1チーム。これを獲るためにも、チーム一丸となって戦います。

さて、今回は日曜日に行われた、リーグ戦最終節での日本ではあり得ない出来事を紹介します!

最終節になると、この1試合で優勝や最下位が決まる、つまり、昇格や降格が決まる試合も少なくありません。チームを運営する立場としては、クラブの今後を左右する大事な1戦になります。そこで、さすがカルチョの国イタリアという、信じがたい出来事が行われるのです。

例えば、「優勝がすでに決定しているチームA VS 降格争い圏内のチームB」というように、Aが勝敗に関係なく順位が決定している場合、降格争いを避けたいBチームはその試合を買うのです。両チームの役員同士が携帯電話で話し合い、その日の試合前にグラウンドで話し合って、「○○ユーロ出すから勝たせてくれ……」などの交渉を行うのです。

もちろん選手たちはその詳細を知ることはできませんが、そこは暗黙の了解とでもいうのでしょうか、実際にそのゲームはBチームが勝利するのです。今季も僕が知っているだけで、セリエDや地域リーグなどでそのような試合操作がいくつか行われました。

イタリアサッカー協会がこのような事態に対して取っている対応は、試合開始時間を一緒にするという安易な策だけなので、他会場にチームの役員を送り込めば結果をリアルタイムに知ることができるし、地元のラジオなどを聴いていても知ることができるので、それによって試合運びを操作できるわけです。

僕たちのリーグを優勝したSPOLETOも、最終節を10,000ユーロ(約170万円)で買ったという噂が流れています。前半を終了した時点では0-0で引き分けていたのに、後半に2点入れて勝利し、優勝しました。そうでなければ、僕たちANGELANAが優勝する可能性もあったのですが(苦笑)。

これらのことが原因で、イタリア人は口をそろえてこういいます。
「最終節は飾られた試合だ。色のあるチームが勝っていく」
お金のあるチームが操作をしていくということを表していますね。

どうです、カルチョの汚い部分が見えたのではないでしょうか? 前回の話に続き、このような話になりましたが、そこまでして勝利をものにしたいと思うイタリア人たち。その気持ちは評価するけど……お金をチラリとどころかドンッと見せびらかして勝つのはどうなのでしょう。

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