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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。

イタリア

■マコトが、イタリア人になってきたぞ!

2008.2.24

Ciao, come va? (よっ、調子はどう?)

現在、僕たちANGELANAは絶好調です!! ついに、勝ち点40で首位に立ちました。

残り9試合、まだまだ油断のできない状態ですが、昇格をかけた入れ替え戦へ進むための5位以内はほぼ確定でしょう。そして何よりも、シーズン前にチームが選手に要求していた「残留」については、前節の勝利で16チーム中11位以内が確定し、決定しました。

今日は、自分の経験を元にした話を。リザーブ選手に関することです。

僕は2月に入って肺炎にかかり、そのあとすぐにまた故障をしてしまい、今月はまだ1試合も出場していない状況が続いています。もちろんその間に自分と同じポジションの選手は出場機会が増え、監督へのアピールをします。そして、チームが勝ち続けているので、監督としてはフォーメーションをいじる理由がなくなる。そういう事情もあり、僕は現在リザーブ選手扱いを受けています。

そして、先週の金曜日から練習に復帰したわけですが、約3週間運動していなかったのでそりゃもう練習がキツイキツイ! でも、レギュラー奪還へ向けてアピールしなければいけません。そうなったとき、どうしたらいいのでしょうか?

もちろん練習の中のミニゲームや練習試合で結果を出していけばいいのですが、そんなに簡単なことではありませんよね。他のプレーヤーも一生懸命に頑張ってプレーしているので。そうなるとどうしても焦りが出てしまい、普段通りのプレーができないなど、いろいろなトラブルが起こってきます。

そこで、彼らイタリア人が僕に教えてくれたこと。
『試合に出たいなら、削りにいけ!』

真面目な顔でこう答えてくる彼らですが、日本人からすると『えっ!?』と耳を疑いますよね。チームメートを練習中に削ってまで、自分のポジションを奪うのかと。まぁイタリア人なら、カルチョなら有り得るかもしれませんが!(苦笑)

しかし、そんなプレーを本当にみんながやってしまったら、チームとして戦えなくなりますよね。ではなぜ、そのように僕に教えてきたのか。それは単純なことで、『怖がらずにプレーするため』だったのです。

“焦り”という言葉をカルチョの世界では、耳にしません。代わりに“怖い”という言葉をイタリア人たちは使います。『あいつは、怖いを持っているぞ!』という風に、変な日本語になりますが。つまり、怖がっていてはいいプレーができるはずはなく、来たボールをすぐ味方に預けようとして、プレーから逃げてしまうのです。そんなことなら、相手を削ってでもボールを自分のものにして、自分のプレーをしろ! というのが、彼らの言い分なのです。

どうです? 物事の見方を少し変えるだけで、状況が一変しませんか?
早速昨日の練習で、僕はチームメートに本当にスライディングをかましました!(笑)しかし、そんな僕を待っていたのはみんなからの激励。

『マコトが、ようやくイタリア人になってきたぞ!』と。

実際にスライディングをかまされたDFは、少し怒っていたようですが……(笑)。
さぁ! レギュラーを目指しているそこのあなた、怖さを取り除いて思い切ったプレーをしてみませんか?

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