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井上 信 1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。
Ciao tutti!!!
僕たちANGELANAは、アウエーで価値ある1勝を挙げ、残り10節を残して首位と1ポイント差の2位につけました。昇格争いのボーダーラインとも10ポイント差がつき、昇格へ向けて調子が上がっています。これで、僕の調子も上がればいいのですが、個人的には結果が残せず苦しいシーズンとなってしまっています。
さて、今日はインコントリスタについて。 初めて聞いた言葉だとは思いますが、イタリアサッカー用語のための造語であり、相手に向かっていく選手のことをこう呼びます。実は、今となっては日本でもよく使われる「ファンタジスタ」も本当のイタリア語には存在しない造語であって、このインコントリスタも同様です。 イタリア代表を例に挙げてわかりやすくいうと、一般的にガットゥーゾはインコントリスタと呼ばれます。何となくピンときた方もいるのではないでしょうか? つまり、中盤の底で相手の攻撃をつぶす選手のことをこう呼びます。怖がらずにボール目掛けて飛び込んでいく様子から、相手に向かうというイタリア語を連想してイタリア人が考えた言葉。それが、インコントリスタなのです。
僕たちのチームにももちろんインコントリスタがいるわけで、その特徴として、ボールへ向かっていくときのスピードや、それを試合中ずっと続ける運動量などいろいろあるのですが、何よりも僕が彼らから感じるのは闘争心です。 もちろん他の選手も試合中は闘っているわけですので、ボールに対する執着心はあるのですが、彼らのそれは目に見えるほど違うレベルなのです。
さて、そんなインコントリスタですが、今の日本代表にいるでしょうか? 少し前でいうと稲本選手はそれに近かったような気がしますが……。何しろ僕自身がここ3年ほどJリーグを見る機会がなく、選手を知らないだけかもしれませんが、少ないような気がします。それに、そういった選手の存在価値を認めることのできる指導者も少ないような気がします。
インコントリスタのことをイタリアではロッタトーレ(壊し屋)とも呼ぶのですが、この言葉から考えてみて思ったのは、やはり日本ではまだまだ戦術的なファウルが少ないし、1対1で抜かれたらその後ファウルをしてでも相手を止めるという感覚がないのだと思う。昨日の練習中にも、DFが抜かれたときに監督から出た指示は『足を蹴とばせ!!』などと、日本では考えられない指示が出る。それに、みんなが口をそろえていうのは、『抜かれて何もできないやつは相手になめられる』ということなのです。
こんなこと書いているとカルチョは汚いな~と思うかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。ただ、世界一になるサッカーにはインコントリスタがいるのです。日本にもこのインコントリスタが出てくれば、世界の舞台で活躍できるのではないのでしょうか?
ちなみに、ガットゥーゾはイタリアでリンギオ(闘犬)というあだ名をつけられています。最近ではVodafoneのCMをトッティと競演するなどして、愛嬌(あいきょう)のあるところも見せています。彼の活躍なしではドイツでの優勝(ワールドカップ)も横浜での優勝(クラブワールドカップ)もなかったかもしれませんね。