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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。

イタリア

■ホームとアウエー

2008.2.11

Ciao tutti!!!

先週も得意のホームゲームをしっかりと勝ち、これでANGELANAは勝ち点34、首位が勝ち点36なので優勝へ向けていい位置を保っています。僕はというと、先週から気管支炎になってしまい、絶対安静ということで初のベンチ外になりました。長いシーズンを戦う上で、体調管理の重要さを思い知る羽目になってしまいましたね……。

さて、今日は少し気になったことを。
9月から翌5月までの約9カ月間の長いカンピオナートを戦う中で、同じ相手と2回、ホームとアウエーで対戦していくわけですけど、これはもちろん日本のJリーグでも同じことでしょう。しかし、今日ネットでJリーグ2007/2008シーズン結果を見ていて少し違和感がありました。

それは、ホームゲームとアウエーゲームの勝敗の差がほとんどないことです。昨シーズンのJでいえば唯一、ヴィッセル神戸が圧倒的にホームに強いチームとして挙げられるけど、他チームはほとんど勝敗が同じかそれ以下。それだけJ同士の戦いが均衡した面白いゲームなのかもしれないけど、イタリアでは珍しいことです。

ホームとアウエーの違いはいろいろあると思いますが、それでもやっぱりホームはホーム、アウエーより戦いやすいはず。サポーターの数も違うし、慣れたグラウンドだし、審判もホームびいきになりやすい。(特にイタリアではそうしないと試合帰りにサポーターに囲まれるなんてことも……) さらにアウエーの洗礼を受けることもある。(僕自身が経験したのが、冬の寒い時期にロッカールームの暖房を切られたり、ロッカールームをなかなか開けてくれなかったりと)

僕はこっちでプレーするまで、あまりそういったことを考えたことがなかった。試合があれば、勝利を目指してやるだけです。もっとも、学校の部活ではホームを感じることもできないのですが。

イタリアではホームとアウエーですべてが変わるといっても大げさではないくらい、環境が違う。選手も監督も、試合前には『今日はホームだから……、今日はアウエーだから……』というふうにそれを考慮した上での話が始まる。まだイタリアのサッカーに慣れていないころに『なんだこいつら、ホームもアウエーも一緒じゃん、勝てばいいだけなのに。同じ気持ちで戦える精神力がないのかな?』なんて思っていたけれど、それが、カルチョというものだとすぐに気づいた。

カルチョとは、戦いという言葉がすごく似合う。
歴史があるからこそ、チーム同士の闘争があったりするのだろうし、ホームとアウエーという文化が昔から根付いているからこそ、試合は面白くなる。アウエーゲームでは、困難なゲームになるかもしれないがそれに勝ったときの喜びは大きいし、ホームゲームは、地元のサポーターに勝利をプレゼントするためにプレーする。
『サッカーの試合と見ていると甘いかもしれない。ここではその試合が街を象徴するシンボル同士の戦いなんだ』と、イタリア人はいう。

日本のJリーグがどれだけ地域とつながっているかはわからないけれど、ホームとアウエーでの変化はまだあまりないのかもしれない。

さて、僕たちANGELANAは、ホーム9勝1敗とリーグトップの成績ながら、アウエーではまだ1勝しか挙げておらず、せっかくアウエーまで来てくれているサポーターには合わせる顔がない。今週のアウエーゲームでは、ぜひとも勝ってサポーターと共に喜びたい。

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