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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。

イタリア

■監督業の難しさ

2007.12.14

Ciao tutti!!!

今週は、リーグの中でもいちばん遠いラッツィオ州のOrteにあるOrtanaとのアウエーゲームをしてきました。結果は0-1の敗戦。ここ数試合なかなかチームの調子が上がらず苦しい時期になっています。
昨日の練習グラウンドには、クラブ幹部たちが集合し、そこに会長と監督が加わって、何やら話し合いをしていました。噂によると、監督が解任の危機らしいです。

うちの監督Sandro Crivelliは、選手時代は、現在大黒将志選手が所属する歴史あるチームTORINOで活躍していました。在籍時にはセリエA優勝も経験している、中盤の選手です。選手時代の終わりごろにTERNANA(当時セリエA)という、ウンブリア州のTerniにあるチームに所属していました。そのときにAssisiに住んでいた女性と知り合い、結婚してAssisiに住むようになりました。
監督としては、セミプロのチームで7度のスクデットを獲得していて、ウンブリア州では【勝利者】と呼ばれています。ただし、勝つためには何でもする監督としても有名らしく、特に選手の獲得について、今までにいろいろな無茶をしてきたという話も聞きます。

そんな彼が、僕が今季から所属しているANGELANAへやってきたのは、昨シーズンの途中でした。そこから、チームを優勝へ導き、今年も続けてANGELANAを指揮することになりました。そして、今季は現在4位と上位につけています。
チームとしては、昇格争いをして入れ替え戦圏内に入ることが目標です。そのためには5位までに入らなければいけません。現在4位で、昇格争い圏内に入っているのです。

それでも、監督が解任の危機に陥る理由とは?
ここが難しいポイントなのですが、どうやら選手起用法に疑問を持つ幹部が多いらしく、そこの点について昨日の練習前に話し合いが持たれたようです。
まぁ監督といえど、選手と同じくチームから給料をもらって仕事しているわけで、残念ながら選手の起用法にさえ口出しをされてしまうのです。
確かに選手目線からでも、監督に不信を抱いてしまいます。なぜなら、数節前まで僕らは首位だったのに、移籍メルカートが開くと、監督はスポーツディレクターに選手の獲得を要請。3人の選手を獲得、1人の選手を解雇、2人の選手をUnder-18へと送り返しました。
結果論になってしまいますが、その結果僕たちはホームで初黒星を喫して、アウエーでも勝つことができずに4位まで降格してきました。

この結果を受けて、チームとしてはこれ以上お金をかけて新選手の獲得をするより、今の戦力で立て直して、
チームを持続したい。しかし、監督としてはもっと選手補強をして、チームを再び優勝争いへ運びたい。というように、差ができてきたのです。

イタリアの州リーグ(日本で例えると地域リーグくらい)でさえ、このような問題はよくあることで、すでに僕たちのリーグの中でも2人の監督が解雇されている。チームの不振以外でも監督とチームの行き違いなどでこのようなことになっていく。

僕は今までに監督経験がないのですが、こちらへ来てからというもの、監督業をしている友人が増えて、監督になることの難しさを知りました。それと同時に、その監督を雇うチーム側の苦悩も知りました。

さて、みなさんがもしもANGELANAの監督SandroCrivelliならどのような選択をしますか?
もし、クラブ経営者なら?
カルチョの裏側の事情を少し知るだけで、もっともっとカルチョが楽しくなるとは思いませんか?

今週日曜日はこんな状況の中、ホームに首位のSPELLOを迎えての試合です。監督としてもチームとしても僕たち選手としても、勝ちたいという気持ちは同じ。ぜひとも勝って、チーム状況をいい方向へ持っていきたいですね。それではまた来週!!! Buona Partita(いい試合を)!

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