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井上 信
イタリア

イタリア通信 ~ジョカトーレ まことの挑戦~

井上 信
1983年生まれ。神戸市出身。中学時に在籍していたクラブチームのイタリア遠征がきっかけでカルチョ(イタリアサッカー)の虜になる。2005年夏の阪南大学在学中にペルージャへ旅立ち、イタリアサッカー協会所属のチームと選手契約を交わした。チームとの契約を代理人なしでやり遂げ、現在ではチームのエースとして認められるほどの存在に成長。来シーズンはセリエC~Eのチームでプレー予定。

イタリア

■イタリア人になれ!

2007.11.30

Ciao tutti!!!
ANGELANAはここ3試合勝ちがなく、僕自身もレギュラーを外され、厳しい戦いになってきました。第10節を終えて5勝3敗2分けの勝ち点17で、現在6位。首位はまだ勝ち点20なので、今週の日曜日はホームできっちりと勝ち点3を獲得して勝ち点を20に伸ばし、他チームの結果を待ちたいと思います。

さて今日は、うちのボンベル(点取り屋)について。
うちのチームには、BomberことGambacorta選手32歳(チームでも最年長)がいます。チームの絶対的存在であり、キングという言葉がふさわしいような彼。グラウンド内はもちろんのことグラウンド外でも、リーダーシップを発揮している。

僕が中盤やサイドでボールを受けたときに、彼にパスを入れないで相手にボールを奪われると、『おれにボールを放り込め!このクソ$?×%!』ってな具合に言われる。まぁ彼は誰に対してもこういった具合にいうのです。
そして、ゴール前で僕がボールを受けてシュートを決めても、『俺に回せ!!』なんて具合でいってきます。そうです、むちゃくちゃなんです!(苦笑)

そんな彼は、お世辞にもテクニックがあるなんていえないし、上背がありヘディングが強いわけでもありません。でも、ゴール前にへばりついて、いつでもゴールを狙っているのです。時には、そこから打っても入らないでしょうというところからも、シュートを打ちます。センタリングをあげれば……という角度からでも打ちます。

そんな彼は、昨年のリーグ得点王で、ここ3年間で60ゴール近くも決めているストライカーなのです。

そして、彼が僕にいつもいってくるのは、『もっと自分を出して行け。足元がしっかりしているのだから、周りのいうことなんか無視して、自分の思った通りのプレーをしろ。最後に俺に回せばいいから!』と。イタリア語を直訳すると、すごく汚い言葉になるので書けませんが、【もっと自分を出せ!】というところにはすごくイタリアらしさが出ていて、日本語で例えるなら、もっと【ずる賢く】とか【汚く】という意味合いに取れるかもしれません。

テクニックがあり、戦術理解度が高いだけでは、イタリアでは選手としての要素が足りないのです。【自分の色を出す】というところがないと、カルチョの世界では生きていけません。

ボールを呼び込む声、危機回避のための汚いファウル、ゴール前での勝負強さ、審判との駆け引きなど、かなりエゴにならなければならない部分もあります。しかし、勝つためには必要であり、日本でサッカーをしていた時には感じられなかった部分でもあります。
これらのことを監督やGambacortaが僕に要求するときに、『もっとイタリア人になれ!!!』といわれます。

こっちでプレーして活躍するためには、日本での概念を持っていてはいけないのかもしれません。もっとイタリア人になるといっても、なかなか難しいことです。ただ、彼らのいうことにも一理あるし、日本人が持っているフェアプレー精神も正しいと思う。
では、イタリア人の考えを持った日本人プレーヤーになれればどうでしょう? 
両国のいい部分だけを吸収して、イタリアでの挑戦を続けていきたいです。

みなさんは、イタリア人になれますか?

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