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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■データで見るスペインリーグ

2009.3.1


先日、地元紙にスペインリーグ前半戦(19試合分)のデータを集計したものが掲載されました。例えば、合計ボールポゼッションの時間、シュートを打った数や受けた数、パスの成功数などなど……。

本当にここまでよく調べたなぁと感心します。ことサッカーに関してはとっても細かいんですよね(笑)。

いくつか面白いデータを紹介したいと思います。
現在、結果そして内容共にずば抜けているのがグアルディオラ監督率いるバルサですが、それを数字でも物語っていました。

ボールポゼッションの合計時間は590分(19試合×90分=1710分プラスロスタイム)で、2位のレアル・マドリードとは93分もの差があります。

更にシュートを受けた数115本(20チーム中最少。最多はエスパニョールの298本)、コーナーキックを受けた数59回(これも最少。最多はスポルティングの137回)、
ゴールキーパーのセーブ数36回(最少。最多はスポルティングの84回)と守備面に関していうとほとんど相手はバルサ陣内に入ることができていない。
その回数はかなり少ないということが分かります。

ボールを奪った回数もダントツの1位で、ボールを失う回数も最も少ない。

攻撃面では最もセンタリングを上げ、パスの成功率が高く、シュート数もダントツ。おまけにシュート成功率も高いとなれば「強いチーム」であることはいうまでもないですね。

ただ、最多と最少ばかり見ても面白くないので、もうちょっと面白いデータを。

ゴール前へのセンタリングの数はすでに書いたようにバルサが671回と最多なのですが、2位がなんとアスレチック・ビルバオなんです(652回)。

これはアスレチック・ビルバオがそれだけゴール前にボールを放り込んでいるとも解釈できます。しかし、センタリングの数に対してゴール成功率がそこまで高くないのは、「とにかくゴール前にボールを放り込んでいるだけ」なのかもしれません。

たくさんゴール前にセンタリングを上げればよいというのではなく、その「タイミング」と「質」が問われます。あとはどれだけマークを外しているか、シュートの質なども影響しますね。

とはいえ質がそこまで高くないのであれば、数を増やすという方法も一つの手ですね。
それだけゴール前にボールを運ばれたら相手も嫌でしょうし。
アスレチック・ビルバオのサッカーは最終的にセンターフォワードのフェルナンド・ジョレンテの頭目掛けてボールを放り込むことが多いので、改めてデータで見てみるとサッカースタイルに合っており、それが数字にも表れていることになります。

そしてアスレチック・ビルバオはボールを奪う回数が20チーム中最少(932回)であり、ということはかなりアバウトに蹴ってボールを失い、その後奪い返すのに苦労しているともいえるかもしれません。

クラブや監督によって戦うスタイルはそれぞれ。抱える選手や特長によってプレースタイルを打ち出していかないといけません。

またそれは文化(ファンやそのクラブのスタイル)も影響してきます。

極論するとグアルディオラ監督はバルサで、あのメンバーがいるからポゼッション主体のサッカーをしている(できている)のかもしれません。それはそれで本当に素晴らしいことです。僕も現在のバルサのサッカーに本当に驚かされました。

彼がもしアスレチック・ビルバオの監督になったら「しっかりポゼッションして相手を崩す」スタイルでは戦わないでしょうし、できないでしょう。

グアルディオラ監督がビッグクラブではなく中小クラブを率いたらどんな戦い方をするのか? そっちのほうが見てみたい気もします。

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