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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■Chispaが足りん!!

2009.1.16


ストライカーDX読者の皆様、大変遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

さて、僕は一週間あるクリスマス休みを利用してリバプールへ遊びに行き、初めてのプレミアリーグ観戦を経験しました!

しかし、こちらはお正月休みというものがなく、1月2日から普通の日に戻ります。
さらに僕らは4日からすぐにリーグ戦が再開されることになっていたので、12月31日、1月1日と休んだだけでそれ以外の日は練習をしていました。

最近自分のチーム(サントゥチュU-13)のことで育成部長さんから貴重なアドバイスをいただきました。先日書きました (第82回 まずは激しさから)コラムにもつながっている部分があるのですが、簡単にまとめると、僕のチームは技術はあるが、バスク特有の激しさ、力強さが足りない。つまり「Chispa(チスパ)が足りない」といわれたのです。

言葉の裏にあるものは「KAZUはバルセロナに住んでいるときに学んだボールポゼッションのサッカーに固執し過ぎて、縦に蹴るバスク人らしい強さや速さがない」ということだと解釈しました。

Chispaとは直訳すると「スパーク、火花、閃光」という意味です。直訳しただけでは意味が分かりませんね・・・

昔クレメンテ監督(バスク人)がアスレチック・ビルバオの監督をしていたときに「スパークしろ!」って指示を出していたのを思い出しました。激しさが足りないという意味に近いのですが、Chispaが足りないというのはちょっと意味合いが違うように思います。日本語でうまく説明しきれないんですが・・・

一瞬の速さ、球際の強さ、競り合う強さや一瞬で相手の裏を取ってしまう速さなどそういう一瞬の爆発力というか電流が流れるような速さ、火花が散るような一瞬の速さ、そういう意味です。

バルセロナでは聞いたことがなかったサッカー用語。そういえばビルバオではよく使われていることに気がつきました。その度に「スパークしろってどういうことだ?それってどうやって練習するの?」と自分の中で消化しきれずにいたんです。正直にいって「それって元々選手に備わっているかいないかで、練習で向上させられるものではないんじゃないの?」と少し反発していました。

でも、周りから散々いわれ、育成部長にもはっきりといわれ、確かに自分のチームを見て、周りのチームと比べてもそのChispaが足りないと気がつきました。

そこで考えを改め「ここは素直に受け入れないと。自分のやり方に固執し過ぎている。せっかくバスク地方にいるんだから、それを教えられる、チームとして表現できるようにならないといけない。それを学べるいい機会をいただいたのだ」と思いました。

ビルバオに住み始めて2年が過ぎ、ようやくバスクのサッカーの象徴は技術的なうまさとか戦術理解度ではなく、実はそのChispaなんじゃないかと気づき始めたところです。

Chispaとは何なのか? どういうプレーのことなのか? どうやったら向上できるのか? まずは僕がそれを理解し、実際にチームに落とし込めるようにする。自分が理解していないのですから、教えられるはずはないですよね。

現在Chispa向上に試行錯誤しています。まずはその言葉の本質を理解するところから。育成部長に聞いたり、師匠アルベルト監督からもアドバイスをもらっています。ちなみにリバプールで見ることができたプレミアリーグにも、理解するヒントが詰まっていました。

次回はそのChispaはどうやって練習し、向上させられるのか。実際に自分はどうやって試しているのかを少しご紹介できればと思います。

ただし、僕も手探り状態の中で理解していこうとしている段階ですが。


リバプールvsボルトン戦
クリスマス休暇を利用して観戦したリバプールvsボルトン戦のスタンド
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