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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■これが戦闘民族?

2008.12.28


ここ数週間知人であるサッカーコーチが日本からビルバオに来てくださり、一緒にアスレチック・ビルバオのトップチームやバラカルドの練習や試合を一緒に見ています。

そのときにいわれて改めて気がついたのがこちらの選手の練習と試合のパフォーマンスの違い

練習では試合前日でもかなりタラタラやっているように端から見え「これで大丈夫なのだろうか?」と感じることもあります。当然(?)レガースをしていませんし、激しくいく中でも「まぁー今日は練習だから」というのが染みついているようです。

あるとき、バラカルドのアルベルト監督にも「練習の内容が試合の実際に起こりやすいプレーと直結していないことがあると思うのですが、それはなぜなのでしょうか?」と聞いたことがあるんです。

もっと分かりやすく説明しますとアスレチック・ビルバオはセンターフォワード目掛けてロングボールを蹴って、競り合ったこぼれ球を拾ってなんとかチャンスを作ろうとすることが多いのですが、練習では敵なしの状態でボールをつないでコンビネーションプレーをしたり、サイドからの崩しを練習しているんです。
そういうプレーはなかなか試合では起こらない。

もちろんそれがダメだというわけではありませんし、そのようなプレーを練習して試合でしたいという監督の意図もあるのかもしれません。

僕らはただ単に外から見ている部外者ですから、その練習がいいとか悪いとかは判断できません。しかし、試合とつながりが薄いのでは? と感じたのでアルベルト監督に聞いてみたのです。

するとアルベルト監督は「一概にこうだとはいえないけど、トップレベルの監督はその練習が試合で生かされるようにという考えよりは、選手達の気分がよくなるように練習する人もいる。つまり練習の内容自体よりも、気持ちが乗ってくるような練習(シュート練習やサイドからのクロスなど)をする人もいるんだ」と教えてくれました。

なるほど。ということは「練習は試合のように、試合は練習のように」という考えよりも、「練習は練習。試合になったらやってやる」という考えに近いわけです。
練習はそのための軽い調整になっているという感じです。

なので試合になったらまるで別人のようにプレーします。
全員が激しく戦い、闘争心むき出してプレーします。いや、そのぐらいやらなければとてもトップレベルではプレーできないのでしょう。

その豹変(ひょうへん)ぶりには本当に驚きます。

そうなると練習をどのようにやるかよりも、いかに選手たちのモチベーションを上げて試合に臨ませるかのほうが大切になりますね。

でも、そういうやり方が正しいとかではなく、知人のコーチも「それは日本人ではできないかもしれない。日本人は練習から激しくやらないと試合でも同じことはできないだろうから」といっていました。

これがメンタリティーの違い。だからダメだということではないです。

民族、国、地域が違えばやり方や考え方も変わるのは当然ですから。

いちばん気をつけなければいけないのはその違いがあることを忘れてしまったり、考慮しなかったりすることなのかもしれません。

いろんなものをいろんな視点で見る。これからも勉強を続けて行きたいと思います。

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